内事局

内事局について

内事局（ないじきょく）は、日本の内閣の機関として1948年の初頭に短期間存在しました。これは1947年末に内務省が廃止されたことによる一時的な措置で、内務省の機能を維持するために設立されました。本局は内事局令に基づき、67日の期間限定で機能していました。

設立の背景

連合国軍最高司令官総司令部（GHQ）の民政局は、内務省の廃止を主導しました。しかし、内政の混乱を避けるため、内務省の残務を処理する特別な機関が必要とされ、「内務残務処理局」が設置されました。内事局長官には林敬三が内定されましたが、GHQは「内務残務処理局」という名前を拒否し、最終的に「内事局」という名称が決まりました。内事局は旧内務省の機能を一時的に引き継ぎつつ、新しい機関に業務を移管する過程にありました。

内事局の存続期間は、警察法や消防組織法の施行日、またはその設置日から90日経過した日が基準となり、その期間内に内事局は解消される予定でした。

機関の機構

内事局は設立から間もなく、旧内務省の業務を引き継ぎ、いくつかの部門に分かれていました。具体的には、官房（庶務、会計、自治、職制）、警保局（警務、警備、刑事）、調査局の業務がありました。設立当初の主要幹部には、内事局長官の林敬三や、第一局長の久山秀雄、第二局長の西村直巳などが含まれていました。

歴史的経緯

1948年1月1日、内事局は各部門の業務を引き継ぎましたが、日々の業務は既存の機関に徐々に移管されていきました。1月7日には地方財政委員会が設置され、旧内務省の財政担当職員が異動しました。さらに、2月15日には法務庁に関する職務が移管され、3月7日には国家地方警察や消防庁が設置されたことにより、内事局は廃止されました。

当局の解体後、職員たちは新たな機関に分散し、特別に定められたルールに従って再配置されました。例えば、国家地方警察本部や地方自治体の警察機関などに多くの職員が移動しました。このような業務の整理は内務省の完全な解消まで続きました。

廃止後の展開

内事局が解体された後もGHQは内務省に対する監視を続け、1948年3月11日には内事局の廃止に関する指示が出されました。この指示には、職員や書類の移動に関する具体的な指示が含まれており、内事局の役割を明確にすることが求められました。

最終的に、内事局の業務は総理庁の一部として継承され、官房自治課として残ることになりました。このように、内事局の短命ながらも重要な役割を果たした歴史は、日本の行政組織の変革を象徴しています。内事局の官房自治課長であった鈴木俊一によれば、内事局は内務省の沈没から救助船のように一時的に機能したものの、その消滅は避けられなかったと述べています。

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