内海村

内海村の概要

内海村（うちうみむら）は、愛媛県南予地方に存在した村であり、2004年に合併して消滅しました。村の地理的特徴、地域社会、歴史、経済活動、そして文化について詳しく見ていきます。

地理

内海村は愛媛県南部に位置し、宇和海に面した由良半島の南側から御荘町との境界に至る地域です。主に傾斜地で構成されており、平地はわずかです。植生環境に恵まれず水産業が発達した一方で、森林に関しては関心が薄く、手付かずの状態が続いていました。また、地域特有の海辺の柑橘園はほとんどありません。

村名の由来

内海村は、内海湾を囲む形で位置しており、その地形的特長から「内海」と呼ばれていました。中世にはこの名称が広く使われ、地域に集落が発達することはありませんでした。

地域と集落

村の中心となる柏集落をはじめ、柏崎、須ノ川といったいくつかの集落が存在しました。商店街はあまり発達しなかったものの、飲食店や宿泊施設は国道56号に沿って点在していました。集落間の交通は不便で、特に南部においては歴史的に分村運動が起こることもありました。

歴史

中世以前: 地域には由良神社があり、総鎮守として多くの信仰を集めていました。

近世: 宇和島藩に属し、内海浦や須の川など複数の町が存在しました。江戸時代中期には伊能忠敬が測量のために来村し、長い期間滞在しました。

明治以降: 明治初期には柏村と内海浦の2つの村が存在し、1889年に内海村が誕生しました。この時期、長い海岸線の影響で分村運動が発生しました。1948年には一部の地区が「南内海村」として分立しましたが、2004年には他の町と合併し愛南町となり、内海村は消滅しました。

行政

内海村の歴代村長には、廣瀬友一、赤樫芳馬、中川庫一などがいました。村は南宇和郡の他の町村と密接な関係を持ち、広域行政の中で自然な統合が進められました。

社会・文化

村内には多くの祭りが存在し、牛鬼や獅子舞などが継承されています。教育については、かつてはいくつかの小学校や中学校が存在していましたが、合併と共に学校も統合されました。

経済・産業

主な産業は水産業で、特に漁業が占める割合が高くなっています。イワシや真珠母貝の養殖が行われ、繁栄を迎える時期もありましたが、真珠貝の大量斃死事件を契機に経済は大きな打撃を受けました。現在は地域の復興に向けた取り組みも進められています。

交通

鉄道はなく、最寄り駅は宇和島駅です。道路は国道56号が村内を貫いており、快適なドライブルートとなっています。

観光

観光名所には須ノ川海岸や由良岬などがあります。また、さまざまなイベントや祭りも地域の魅力を引き立てています。

特産物

真珠やひおうぎがい、地鶏などの特産物があり、村の交流施設で販売されています。出身の有名人もおり、地域の文化に対する誇りが感じられます。

内海村は今はもう存在しない村ですが、その歴史や文化は地域の人々によって受け継がれています。

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