内藤誉三郎

内藤誉三郎とは

内藤誉三郎（ないとう たかさぶろう、1912年1月8日 - 1986年3月16日）は、昭和期における日本の政治家及び文部官僚として知られています。彼は文部大臣（第100代）や参議院議員（3期）を務め、特に教育政策に関する業績が高く評価されています。また、大妻女子大学の学長としても貢献しました。

来歴と初期の人生

内藤は神奈川県中郡西秦野村渋沢（現在の秦野市）に、葉タバコ農家の四男として生まれました。彼は神奈川県立小田原中学校（今の神奈川県立小田原高等学校）を卒業後、東京高等師範学校に進学。その後、1936年に東京文理科大学の英語英文科を卒業し、文部省の社会教育局に嘱託として勤務を開始しました。この年、内藤春子と結婚し、内藤家の養子となったことも記憶に残ります。

文部省でのキャリア

文部省入省後、内藤は1942年に高等文官試験に合格し、官房文書課の総務掛長として職を得ます。戦後、彼はその優れた英語力を活かし、GHQとの交渉において際立った役割を果たしました。1952年には「義務教育費国庫負担法」の成立を手助けし、初等中等教育局の庶務課長に就任しました。

その後も彼は、大臣官房会計課長、調査局長、社会教育局長を経て、1956年には初等中等教育局長に就任します。その職位で、内藤は学習指導要領の法的拘束力を強化し、道徳教育を導入し、全国の一斉学力テストを実施するなど、文教行政の強化を推進しました。彼の強力な政策推進は、日教組から「鬼の内藤」や「タカ三郎」と恐れられるほどでした。

1962年、内藤は文部事務次官に就任しますが、1964年に退官。退官後の1965年、自民党から参議院議員に立候補し当選。以後、4年間にわたり再選され、河野一郎派と中曽根康弘派に所属しました。

政治家としての活動

参議院文教委員長を歴任し、1978年には大平内閣で文部大臣に就任。この時、日教組委員長である槙枝元文と会談し、40人学級の実現を約束するなど、柔軟な姿勢を見せました。しかし一方で、教育長就任予定者に対して面接試験の実施を指示し、中央集権的な立場も強化しました。彼の功績には、放送大学設立も含まれます。1982年には勲一等瑞宝章を受章し、1983年には政界を引退しました。

晩年と晩年の影響

1986年3月16日に急性心不全で亡くなり、74歳でした。死後、正七位から従三位に叙せられました。

内藤は一般的にタカ派として知られましたが、1970年に松村謙三とともに中国を訪問した際、民衆の士気に感銘を受け、日中国交正常化を熱心に推進する立場を取るようになりました。これは「タカがハトになった」と評される一因となりました。さらに、日教組の組織率低下を図るため、良識ある職員団体の育成を推進し、結果的に愛媛県や香川県において日教組の組織率を低下させる成果を上げました。

著書

内藤は多くの著作を残しており、主な著作には『教育財政論』、、『教育財政』、、『日本教育の課題 日米教育制度の比較検討我国教育財政確立の新構想』などがあります。彼の考察や見解は教育政策に関する重要な参考資料として評価されています。

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