写真時代

写真時代（しゃしんじだい）

『写真時代』は、1981年に白夜書房から発行された写真専門雑誌です。創刊当初から、編集長に末井昭が就任し、中心的な位置を占めたのが荒木経惟です。彼の作品が雑誌の核となり、他に森山大道や倉田精二、北島敬三といった著名な写真家たちも参与しました。

創刊の背景

荒木経惟によると、雑誌の名前は彼と末井が新宿で飲んでいる際に、「これからは写真の時代だ」という話を交わしたことに由来しています。このようにして生まれた『写真時代』は、当時の写真界に新たな風を吹き込み、特に流行を生み出しました。

代表的な作品と作家

森山大道は、1980年代の8年間にわたり『写真時代』での連載以外にはほとんど仕事を行わなかったと述べています。彼の特徴は、粒子の粗い白黒写真を通じて表現される世界であり、視覚に強い印象を残すものでした。一方、倉田精二は歌舞伎町やヤクザの生々しい姿を捉え、その独自の視点で存在感を発揮しました。また、同誌には糸井重里、上野昻志、高杉弾、南伸坊、渡辺和博、岡崎京子、姫野カオルコなど、さまざまな著名人が執筆陣として名を連ね、多様な視点からのコンテンツが展開されていました。

「超芸術トマソン」ブーム

赤瀬川原平の連載「超芸術トマソン」では、読者から「何の役にも立たないのに堂々と存在する物」をテーマにした投稿写真が集まり、こちらも大きなブームとなりました。こうした記事は、誌面を盛り上げる要素となり、読者の関心を惹きました。

廃刊とその理由

しかし、過激な表現により何度が警視庁から注意を受け、1988年4月号にて『写真時代』は廃刊となりました。その理由は、特に被写体の女性に関する問題が発端となり、警視庁からの回収命令を受けたことが大きな要因です。被写体のパンティが食い込みすぎていて、女性器が見えそうな表現が問題視されました。

バックナンバーとモデル

『写真時代』では多くのバックナンバーが発行され、名だたるモデルたちが登場しました。主なモデルは、1981年の創刊号から1988年の最終号に至るまで、多様な女性たちで占められました。中には当時規制を受けた特定の号もありましたが、各号ごとの内容は一つの時代を反映したものとなっています。

1. 1981年:
- 9月号（なみ）
- 11月号（美樹）
- 1月号（美香）

2. 1982年:
- 3月号（少女M・沢井知加）
- 7月号（武見あゆみ）
- 11月号（ロコ）

このように、『写真時代』は日本の写真文化において独自の位置付けを持ち続け、多くの写真家や文化人に影響を与えました。また、廃刊から長い年月が経過した今でも、その存在は多くの人々に記憶されているのです。

もう一度検索