冨士教

冨士教（ふじきょう）は、富士講の開祖である藤原角行の系統に連なる宗教法人です。特に、村上光清に繋がる系統（光清派）を自称し、東京で途絶えた富士御法家の流れを汲んでいます。信者数は約2000人弱とされています。

概要

冨士教は、富士講信仰（富士信仰）において、角行から村上光清へと続く御法家の系統に属し、現在は静岡県御殿場市に拠点を置いています。かつては第19代の藤原之覚法が管長を務めていましたが、2009年（平成21年）に第20代の管長が就任しました。

他の富士講信仰と同様に富士山を信仰の対象としているものの、冨士教は角行とその直系8代までが教えを記した「御巻き」という文書を保管している点が最大の特徴です。この「御巻き」は御法家としての秘宝であり、角行の直系の教えを教義の中心としています。

冨士教の紋は、「富士山」と「藤」を組み合わせたデザインです。「藤」の文字は、「富士」に通じるだけでなく、角行の姓である「藤原」にも関連付けられ、この紋が角行の直系であることを示すとされています。しかし、紋の中央に十字架のような形状があるため、キリスト教との関連を疑われたこともあるようです。

冨士教では、毎年、角行が亡くなった6月3日に供養祭を執り行っています。2010年6月3日には、角行が富士山で修行を開始してから450年を記念し、「450年記念大祭」が、角行が修行したとされる静岡県富士宮市の人穴および人穴浅間神社（人穴富士講遺跡）で開催されました。

歴代管長（御法家）

第十九代御法家：藤原之覚法
第二十代御法家：勝間田覚法

参考文献

井上順孝ほか編 『新宗教事典』 弘文堂、1990年。
井上順孝ほか編 『新宗教教団・人物事典』 弘文堂、1996年、264頁。
松野純孝編著 『新宗教辞典』 東京堂出版、1984年、359-360頁。

外部リンク

宗教法人冨士教

関連項目

* 富士講

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