冷水機

冷水機（ウォータークーラー）とは

冷水機とは、飲料水を冷却し、供給することを目的とした電気製品です。英語ではウォータークーラーとも呼ばれ、公共の場やオフィスなどで広く利用されています。正式名称はプレッシャー型ウォータークーラーです。

冷水機の種類

日本国内では、主に以下の2種類の冷水機が普及しています。

床置き型: 蛇口近くのボタンを押すか、足元のペダルを踏むことで水が出ます。主に公共施設や工場などで見られます。
卓上型: ボタンを押すか、コップでレバーを押して水を出します。オフィスや小規模な施設でよく利用されます。中には、お湯やお茶も提供できる機種もありますが、安全対策として、お湯側のレバーはボタンを強く押さないと出ないようになっているものもあります。

卓上型には、水道管直結式とタンク貯蔵式の2種類があります。床置き型は基本的に水道管直結式です。近年では、アメリカで主流のタンク貯蔵式の床置き型も登場しており、別体のタンク（ボトル）を上部に設置し、重力で水を供給する仕組みとなっています。これは電動ポンプが不要なため、省エネにも貢献します。アクアクララなどのウォーターサーバーレンタル事業が、このタイプの冷水機を積極的に展開しています。

アメリカでは、水道管直結式の床置き型はあまり普及しておらず、代わりに壁掛け型や壁埋め込み型が一般的です。

設置場所

冷水機は、以下のような場所によく設置されています。

公共施設: 学校、ホール、図書館、鉄道駅、病院、競輪場、競馬場、競艇場など
企業: 社員食堂、フードコート、飲食店など（セルフサービス式の場合）
その他: 小規模病院の待合室、携帯電話販売店など（タンク貯蔵型が多い）

アメリカ製の壁掛けタイプや壁内隠ぺいタイプの冷水機は、車椅子利用者にも配慮したユニバーサルデザインを採用しており、バリアフリー対応として日本の公共施設にも導入されています。これらの製品は、「オアシス」ブランドと「サンロック」ブランドで販売されていますが、どちらも米国OASIS社製で、同一のデザイン・仕様です。ただし、日本の国内法に適合するように加工・製造されており、構造は若干異なります。

歴史

かつて、昭和の戦後から平成初期にかけての時代には、新幹線（0系など）や特急列車、寝台車、グリーン車などにも冷水機が設置されていました。しかし、衛生検査の結果、車両基地で補給される水が飲用に適さないことが判明したことや、ペットボトル入りミネラルウォーターの普及により、現在ではほとんどの車両で冷水機の設置が取りやめられました。代わりに、飲料の自動販売機が設置されることもありますが、近年ではそれすらも廃止される傾向にあります。

海外の状況

アメリカ合衆国: トイレの近くに設置されていることが多いです。
大韓民国: デパートや銀行などにタンク貯蔵型の冷水機が多数設置されており、自由に利用できます。
タイ王国: スワンナプーム空港など、新しい公共施設に設置されていることが多いです。

関連項目

給茶機
ウォーターサーバー

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