処仁城の戦い

処仁城の戦いについて

処仁城の戦いは、1233年に起きた戦闘であり、この時はモンゴル帝国による第二次の高麗への侵攻の最中でした。この戦いで高麗軍は、モンゴル軍の主将であるサリクタイを戦闘で討ち取ることに成功し、その結果、モンゴル軍は撤退を余儀なくされました。このように、処仁城の戦いは高麗にとって重要な勝利となり、モンゴルの侵攻を防ぐ大きな要因となりました。

戦いの背景

モンゴルと高麗との関係は、1218年に始まった交渉から始まりました。1219年にはモンゴル帝国が高麗と協力して契丹軍団を撃退し、両国の関係は進展しました。しかし、1225年にモンゴルから派遣された使者が殺害された事件を契機に、両国の関係は急速に悪化しました。この使者の殺害を理由に、モンゴルから高麗への侵攻が開始され、1231年にサリクタイが率いるモンゴル軍が高麗に侵入しました。

サリクタイ率いるモンゴル軍は、大きな勢力を誇り、首都開京まで攻め込みました。この時、高麗はやむを得ずモンゴルに降伏し、莫大な上納品を差し出しましたが、その後もモンゴルの圧力は続きました。さらにモンゴル軍の高麗に対する要求が次々と厳しくなる中で、高麗の王朝は次第にモンゴルに対して反感を強めました。

高麗の反発と準備

高麗は、モンゴルの侵攻に備えるため、5月21日に防備の議論を開始し、5月23日には遷都の可能性が議論されました。これは、長年守ってきた首都を放棄するという非常に大きな決断であり、多くの反対意見がありましたが、権臣たちの強硬な決定によって実行されました。また民間には避難指示が出され、多くの民が山や海に逃げることとなりました。

7月6日に高麗軍は開京を離れ、江華島に移ると同時に、国内のダルガチを排除する行動に出ました。このように高麗は、モンゴルに対抗する姿勢を強めていったのです。

戦闘の経過

高麗の離反を受け、モンゴル帝国はサリクタイに再度の侵攻を命じました。サリクタイは再侵攻を開始し、洪福源らの助けを借りて西京（現在の平壌）へと進軍しました。この過程で、サリクタイは高麗国王と権臣の出頭を求めましたが、どれも退けられました。また高麗の内部に手を出さず、南下しながら高麗国内を攻めるに留まりました。

1233年2月6日、サリクタイは高麗の処仁城を包囲しました。しかし、ここで予想外の出来事が起こりました。高麗の僧侶、金允侯が処仁城におり、彼が弓矢を使ってサリクタイを射抜いたことで、モンゴル軍は大きな損失を被ることとなりました。この痛手を受けて、サリクタイ率いる軍隊は司令官を失い、これ以上の攻撃を続けることが困難となってしまいました。

結果的にモンゴル軍は撤退し、モンゴルによる第二次高麗侵攻は失敗に終わりました。この戦いを契機に高麗の軍は士気を高め、さらにモンゴル帝国との対立が続くことになります。これにより高麗は再び侵攻を受けることになりますが、新たな戦略が模索されることになります。処仁城の戦いは、高麗にとって重要なターニングポイントであり、歴史に名を刻むこととなりました。

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