出口若武

出口 若武（でぐち わかむ）について

出口若武（1995年4月28日生まれ）は、日本の将棋界で注目される若手棋士です。兵庫県明石市の出身で、現在は日本将棋連盟に所属しています。師匠は井上慶太九段で、棋士番号は317です。若くして将棋の世界に入り、その才能を開花させてきました。

将棋との出会い

出口は明石市立藤江小学校に在籍中、上級生から将棋を教わり始めました。当初はサッカーを好んでいましたが、将棋大会での活躍がきっかけとなり、将棋を本格的に学び始めました。彼は加古川将棋センターに通い、小学6年生の時に奨励会に入会。その後、2006年と2007年に文部科学大臣杯・小・中学校将棋団体戦で準優勝するという成果を収めました。2006年の大会には、後にプロ棋士となる冨田誠也と同じチームでした。

三段リーグでの奮闘

17歳で三段リーグに参加するも初期は苦戦が続きましたが、第56回三段リーグでは12勝6敗を挙げ、次の第59回三段リーグでも同じ成績を収めました。三段時代の第49期新人王戦では澤田真吾六段や梶浦宏孝四段を下し、決勝三番勝負に進出しましたが、藤井聡太七段に連敗し準優勝に終わっています。この新人王戦での準優勝は、その後のプロ入りした棋士の中でも最高成績となりました。

第64回三段リーグでは、開幕から10連勝の快進撃を見せ、14勝4敗で四段昇段を果たしました。この瞬間、井上慶太門下の4人目のプロ棋士となり、同門下からは続々と新たな棋士が誕生しています。

プロ入り後の成績

プロデビューした2019年度、初参加の第78期順位戦では3勝7敗と苦戦し降級点が付く結果となりましたが、全体で見ると29勝18敗を記録しました。2020年度は、第79期順位戦で9勝1敗の素晴らしい成績を収め、C級1組昇級と五段昇段を達成。その年は入会1年目で降級点を受けた後に昇級した初めての棋士となりました。

さらに、2021年度には第92期棋聖戦でベスト8に進出し、NHK杯でも見事な成績を残しました。2022年度には、第7期叡王戦での挑戦者決定戦に進出し、六段に昇段したものの、その後藤井聡太叡王に0勝3敗で敗退しています。

現在の棋風

以前は振り飛車一本で戦っていた出口ですが、20歳の頃に居飛車に転向し、棋風の変更に取り組んでいます。これにより、戦略の幅が広がり、さらなる成長が期待されています。

人物とエピソード

出口の名前「若武」は、父母が共に好きな言葉から付けられたものです。特に、藤井聡太との対局後は悔しさが残り、帰りの電車を乗り過ごしてしまったエピソードもあります。また、同じ明石出身の女流棋士である長谷川優貴との縁もあり、彼女からは四段昇段を祝うコメントを受けたこともあります。

私生活では、2021年4月22日に女流棋士の北村桂香と結婚しました。大盤解説会ではファンの温かい拍手に涙を流す姿も見られ、感受性豊かな一面を伺わせます。

昇段履歴と業績

出口は確かな実力を示し続け、以下の昇段履歴と主な成績を残しています。

• - 2007年9月：奨励会入会、6級
• - 2013年4月：三段
• - 2019年4月：四段
• - 2021年3月：五段
• - 2022年4月：六段（タイトル挑戦）

主な業績としては、ABEMAトーナメントの優勝や著書の出版もあり、将棋界において注目され続けています。彼の未来に期待が寄せられる中、将棋界でのさらなる活躍が楽しみです。

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