出水神社 (熊本市)

出水神社は、熊本県熊本市中央区にある水前寺成趣園内に鎮座する神社です。この神社は、熊本藩の歴代藩主を祀るために、明治時代にかつての家臣たちによって創建されました。旧社格は県社で、地域の人々にとって重要な存在となっています。

祭神

出水神社では、以下の神々が祀られています。

主祭神：
細川忠利卿（熊本藩初代藩主）
細川藤孝卿（幽斎、忠利の祖父）
細川忠興卿（忠利の父）
細川重賢卿（熊本藩6代藩主）
配祀神：
細川氏歴代藩主（光尚朝臣（2代）、綱利朝臣（3代）、宣紀朝臣（4代）、宗孝朝臣（5代）、治年朝臣（7代）、斉茲朝臣（8代）、斉樹朝臣（9代）、斉護朝臣（10代）、韶邦朝臣（11代）、護久朝臣（12代））
玉（ガラシャ、忠興卿室）

由緒

熊本藩では、文化6年（1809年）に細川藤孝（幽斎）の200年忌に合わせて、藤孝・忠興父子を祀る神社の創建が計画されました。しかし、江戸幕府が諸大名への神号授与を禁じていたため、この計画は断念せざるを得ませんでした。

その後、明治11年（1878年）に、旧藩士の松井章之らの請願により、藩主別邸の跡地である水前寺成趣園内に神社が創建されました。創建にあたっては、成趣園全域を社地とし、翌12年5月13日に県社に列せられました。西南戦争で焼け野原となった熊本の復興において、人々の心の拠り所となることを目指したものでした。

神社名は、水前寺成趣園の池の湧水に由来しており、社紋は細川氏の家紋である細川九曜紋です。

境内

境内には能楽殿があり、夏祭りでは薪能が奉納されます。この薪能は、日本で5番目に古い歴史を持つとされています。

境内社

稲荷神社：文化6年（1809年）に、細川斉茲朝臣（8代藩主）によって、京都伏見稲荷大社から勧請されました。

社宝

脇差 大摺上 無銘（三原派）：伝承では細川幽斎が所用したとされ、「幽斎大三原」と呼ばれています。

出水神社は、歴史的な背景と美しい自然に囲まれた場所として、多くの人々に親しまれています。

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