刀岐浄浜

刀岐 浄浜（とき の きよはま）について

刀岐 浄浜は平安時代初期の官人であり、氏は刀伎、名は清浜とも記録されています。姓は直で、官位は外正五位下および暦博士を務めました。浄浜の経歴は、主に彼の学問的貢献と、政治の場における彼の活動によって彩られており、特に陰陽道に関する知識が際立っています。

経歴と業績

浄浜は淳和天皇の治世の下、陰陽寮において暦博士としての役割を担い、天長5年（828年）には外従五位下に叙任されました。彼の主な業務は、天文現象を観測し、その結果を朝廷に報告することでした。その一環として、経年の天文学や季節の変化を記録し、暦を整える作業を行っていました。

特に記憶に残るのは、天長8年（831年）4月1日の夜に発生した日蝕の際の出来事です。この時、浄浜は事前に日蝕を上奏しておらず、朝廷からその理由を尋ねられました。彼は陰陽寮の規定に基づき、夜の発生する日蝕は上奏の必要がないと回答しました。しかし、参議である南淵弘貞は国家の急務であるとして、どんな時でも奏上が求められると反論し、陰陽寮は批判にさらされました。

浄浜の官位は、その後も上昇し、天長10年（833年）には二階昇進して外正五位下に叙せられましたが、同年内に彼は卒去しました。彼の死後、暦博士の職務を引き継ぐ者がすぐに見つからなかったため、陰陽寮の御暦奏の業務は遅延し、従来の11月1日から1ヶ月遅れの12月上旬に行われることとなりました。この遅延は影響が大きく、時代の変化を感じさせる出来事となりました。

官歴

刀岐浄浜の官歴は以下のように示されています。

• - 時期不詳：正六位上、暦博士
• - 天長5年（828年） 正月7日：外従五位下
• - 天長10年（833年） 正月7日：外正五位下（昇進、越階）
• - 日付不詳：卒去（暦博士外正五位下）

参考文献

刀岐浄浜の業績については、森田悌の著書である『日本後紀（下）』や『続日本後紀（上）』など、平安時代の文献が多く参照されています。これらの文献は、当時の政治や文化を理解する上で非常に重要な資料です。浄浜は短い生涯でしたが、その業務は後世の陰陽道の運用に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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