初山滋

初山 滋（はつやま しげる）

初山滋は、1897年7月10日に東京市の浅草田原町で生まれました。本名は繁蔵であり、彼の芸術活動は自由で多様なスタイルを持ち続けました。そのため、彼は生涯にわたり同一の画風にとどまることなく、さまざまな表現方法を駆使して作品を描いてきました。また、彼の版画作品は約20年にもわたり小学校の国語教科書の表紙に使用されており、子どもたちに広く親しまれました。

来歴

幼少期の初山は、特に漫画や絵に興味を持って育ちました。しかし、彼は小学校を卒業後、荒木探令のもとでの大和絵の学びは短期間で終了しました。その後は、金属商で働いたものの、いじめに遭いすぐに辞め、模様画工房で着物のデザインを身につけました。1910年には日本橋三越で新柄募集に応募し、見事一等を獲得しました。これを機に、日本[[画家]]・井川洗厓の弟子となり風俗画を学ぶことになりました。

1915年には巽画会に出品し、『盲人と春』で銀賞を受賞しました。その後、文展にも作品を投稿しましたが、残念ながら落選。この結果を受けてタブローを辞めてしまいます。次の年には歌舞伎役者のもとで世話になり、鉄砲を覚え、以降は「初山田之助」の名前で『少年倶楽部』の口絵も手掛けました。

1919年からは『おとぎの世界』という雑誌の嘱託社員となり、毎月表紙や口絵を担当。このときの名義も最初は「初山田之助」としていましたが、次第に滋に変更されるようになりました。さらに、その年の11月には劇団美術座を仲間と共に設立し、商業演劇にも関與するようになります。

1924年に銀行家の娘・西川澄子と結婚し、長崎町に新たな生活を始めました。そこでは子どもたちが直に彼の芸術に触れることになるのですが、1935年には離婚し、子どもたちを引き取って新たな生活を始めました。

また、彼は1927年に日本童画家協会を結成し、翌年の展覧会に『姉妹』を出品します。さらには、絵本『一寸法師』の出版や、1935年には『初山滋童画集』を刊行するなど、精力的に活動しました。

第二次世界大戦後の1946年に日本童画会の創立メンバーとなるとともに、1950年から10年間は日本女子大学で児童画の講義を担当しました。絵本『もず』は1967年に出版され、これにより国際アンデルセン賞国内賞も受賞しました。特にこの時期、彼はソビエト連邦を訪れたりもしています。

死去

初山は1972年に円滑な生活を送れなくなり、1973年に肺炎のため死去しました。ここまで多岐にわたって活動した彼の作品は今もなお多くの人々に愛されています。

受賞歴

彼の功績に対する評価も多く、1966年には紫綬褒章を受章し、同年に第1回モービル児童文化賞も受賞しました。彼の作品は、今もなお多くの児童文化に影響を与え続けています。初山滋という名は、日本の童画界において不朽の存在として記憶されているでしょう。

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