初期英語文献協会

初期英語文献協会の概要

初期英語文献協会（Early English Text Society）は、英語の古典的なテキストの翻刻・出版を行うことを目的とした団体である。特に、原資料が手稿に依存している古英語や中英語のテキストの復刻に力を入れている。1864年にフレデリック・ジェイムズ・ファーニヴァルによって設立され、以降、多くの重要な文献が世に送り出された。

設立の背景と目的

設立時の協会の目標として掲げられたのは、貴重でありながら未印刷の英語の手稿を印刷することや、価格が高いために一般の学生にとって手に入れづらい希少な英語書籍を校訂し復刻することだった。このようにして、文学作品の普及と保存に寄与することが意図されていた。

主要な刊行物

協会は設立以降、初期英語文献を多く刊行してきた。2015年までには、以下の数種のシリーズが発表されている。

• - Original Series: 344巻
• - Extra Series: 126巻（内容が不十分または希少な文献を対象）
• - Supplementary Series: 25巻（1970年から不定期に刊行）

特筆すべきは、中英語の詩『Pearl』や『ガウェイン卿と緑の騎士』を含むコットン図書館の「Cotton Nero A.x」など、重要な文献の翻刻が行われたことだ。これにより、多くの研究者や学生が、これらのテキストにアクセスしやすくなった。

会員の貢献

設立初年から協会には多くの著名なメンバーが参加しており、その中には桂冠詩人のアルフレッド・テニスンや、アイルランドの聖職者リチャード・チェネヴィックス・トレンチ、文献学者リチャード・モリス師などが名を連ねている。彼らはそれぞれの専門知識をもとに、協会の活動を支援し、英語文献の把握と保存に貢献した。

現在の運営と成果

協会の業務は、現在オックスフォード大学出版局が代行している。設立から150年以上の間に培った経験をベースにし、文献の重版や新たなエディションの発行が続けられている。このようにして、協会は常に発展を遂げ、英語文献の保存と普及において重要な役割を果たしている。

エンブレムとシンボル

協会のエンブレムは、アングロ・サクソン時代の遺物「アルフレッドの宝石」をベースにデザインされており、協会名を記載した巻物が特徴である。このエンブレムは、協会が経てきた歴史と文化的な意義を象徴すると同時に、古英語や中英語の文献に対する敬意を表している。

結論

初期英語文献協会は、英語文献の保存と普及に寄与してきた存在であり、その影響は今日においても続いている。今後も、多くの研究者や学生の支えとなり、古い英語のテキストが広く知られていくことが期待される。

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