初鷹 (急設網艦)

初鷹（はつたか）

概要

初鷹は、日本海軍における急設網艦で、1939年10月に竣工した敷設艦です。艦名は秋の鷹に由来し、主に港湾防御の目的で設計された艦艇となっています。特に、潜水艦からの攻撃を防ぐための機雷が付いた防潜網を迅速に敷設する役割を担っていました。初鷹型は、先行の「白鷹」や燕型敷設艇からの改良を受け、小型でありながら対潜能力も兼ね備え、船団護衛の任務にも用いられました。

艦型

初鷹は、計画艦として建造され、白鷹の改良型に位置づけられています。従来の石炭燃料に代わり、石炭と重油の混燃で、タービン機関を搭載し、高速で航行することができました。最大速力は20ノットで、九六式の防潜網24組を搭載することが可能です。艦装備には連装の毘式四十粍機銃を艦前部と後部に配置しており、対空戦闘や対潜水艦戦に対応することが可能でしたが、性能の限界から後に改正されました。

艦歴

初鷹は1938年3月29日に播磨造船所で起工し、1939年4月28日に進水を果たしました。これに続き、同年の10月31日に竣工し、呉鎮守府に籍を置くことになります。1940年からは呉鎮部隊に編入され、その後、第一根拠地隊、及び第九根拠地隊に所属し、マレー作戦に従事しました。

1942年にはラバウル方面にも展開し、ここでの護衛や哨戒任務を遂行しました。加えて、シンガポールやマラッカの水路啓開作戦にも参加しました。1944年には再び東南アジアでの任務に戻り、船団護衛や機雷敷設を行いました。

太平洋戦争中、初鷹は崖からの攻撃を受けることは多く、1945年5月16日、米潜水艦による魚雷攻撃を受け沈没します。この艦は戦後、帝国軍艦籍から除籍されており、その歴史はその後も多くの海軍の史料で参照されています。

年表

• - 1938年3月29日: 播磨造船所で起工。
• - 1939年4月28日: 進水。
• - 1942年: 第1南遣艦隊第9根拠地隊に編入、主にペナン、シンガポール方面で船団護衛に従事。
• - 1945年5月3日: アメリカ海軍の潜水艦ラガートを撃沈。
• - 1945年5月16日: マレー沖にて米潜水艦による攻撃で沈没。
• - 1945年8月10日: 除籍。

歴代艦長

艦長については数回の交代があり、最初は稲垣義龝大佐が1941年8月まで在任しその後は複数の艦長が指揮を執りました。
初鷹は日本海軍の歴史の中で重要な役割を果たした艦であり、防潜網の設置や船団護衛など多様な任務を担い続けました。各任務を通し、戦時の厳しい環境の中で艦はその存在意義を示し続けたと言えるでしょう。

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