別宮賞

別宮賞について

別宮賞は、作曲家の別宮貞雄氏が個人で創設した、日本の現代音楽の作曲家を対象とした作曲賞です。別宮氏は、戦後の前衛音楽の中心地であったパリで音楽を学びながらも、古典的な音楽傾向を強く持っていました。そのため、十二音音楽や無調といった20世紀の音楽に対して批判的な立場をとり、独自の音楽の道を追求した作曲家として知られています。

創設の背景

別宮賞は、従来の現代音楽に偏重した作曲コンクールに疑問を持っていた別宮氏が、自らの作品評価の場として創設されました。この賞は、別宮氏自身の音楽観に基づき、独自の視点で作品を評価することを目的としていました。

賞の終焉

2012年1月、別宮貞雄氏が逝去されたことにより、別宮賞は終了しました。短い期間ではありましたが、この賞は日本の現代音楽界に大きな影響を与えました。

受賞作品一覧

以下に、過去の受賞作品を一覧で示します。

2000年（第1回）
松尾祐孝: 胡琴協奏曲
2001年（第2回）
尾高惇忠: オルガンとオーケストラのための“幻想曲”
2002年（第3回）
西村朗: ヴァイオリン協奏曲第二番「秘密〜マニの光」
2003年（第4回）
新実徳英: ソプラノとオーケストラのための「アニマ・ソニート」
2004年（第5回）
小鍛冶邦隆
2005年（第6回）
田中カレン
2006年（第7回）
糀場富美子: 『未風化の七つの横顔〜ピアノとオーケストラのために』


別宮賞は、その独自の選考基準と、受賞作品の質の高さから、現代音楽の作曲家にとって重要な賞の一つでした。現在では、その歴史を振り返ることで、日本の現代音楽の発展に貢献した別宮貞雄氏の功績を再認識することができます。

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