別府市歌

別府市歌の紹介

別府市歌（べっぷしか）は、大分県別府市が制定した歌であり、その歴史には旧町歌である別府町歌（べっぷちょうか）も深く関わっています。作詞は森勝比古、作曲は弘田龍太郎によって手がけられ、この市歌は地域に根ざした文化の象徴とされています。

別府町歌の成立

市制施行の前、1924年（大正13年）に設立される以前の別府町では、1908年（明治41年）に町役場が法学士の金崎賢に依頼し、歌詞が作成されました。曲は、陸軍軍楽隊の一等軍楽長だった小畠賢八郎によって作曲され、同年3月には町会議決によって正式に別府町歌が制定されました。この町歌は、後の市制施行時に「別府市歌」として引き継がれました。当時の別府町歌の歌詞は権利が満了しており、現在ではパブリックドメインとなっています。

市歌の制定背景

1935年（昭和10年）、速見郡亀川町、朝日村、石垣村の編入を記念し、改めて市歌の制定が行われることになりました。このプロセスは、懸賞を通じて歌詞が募集され、その結果、旧町歌の形式を踏襲した全4番から成る新しい歌詞が選ばれました。特に2番では「湧き出る温泉（いでゆ） 神代より…」というフレーズが旧町歌の歌い出しと類似した内容となっています。

市歌の存続と現状

この市歌は、戦後も演奏禁止や歌詞の変更を経ることなく、長い間にわたり存続しています。そのため、大分県内の市町村歌の中では最も古いものであり、市民にとっては身近な楽曲となっています。例えば、市民合唱祭の開会に際しては斉唱が行われ、また防災無線では正午の時報として演奏されるなど、様々な場面で市民に親しまれています。

最近では、別府市の公式ウェブサイトで市歌の紹介ページが2024年12月6日に設けられ、YouTube公式チャンネルにおいて音源も公開されるようになりました。これにより、より多くの市民が市歌に親しむ機会が増えました。

参考文献

• - 『別府町史』（別府町役場、1914年）
• - 稗田武士著『最新別府案内』（別府温泉出版部、1924年）
• - 『別府市誌』（別府市教育会、1933年）
• - 『別府市誌』（別府市役所、1985年）
• - 中山裕一郎監修『全国 都道府県の歌・市の歌』（東京堂出版、2012年）

市歌は文化や地域のアイデンティティを表現する重要な要素であり、別府市にとってもその意義は大きいと言えるでしょう。

もう一度検索