別府抗争

別府抗争

別府抗争は、1957年（昭和32年）3月から4月にかけて大分県別府市で発生した、三代目山口組傘下の石井組と地元組織・井田組との間で繰り広げられた抗争事件です。

事件の背景

当時、別府市では「別府温泉観光産業大博覧会」が開催され、その仮設興行権を巡って、石井組と井田組の対立が激化しました。

事件の勃発

1957年3月27日、博覧会場において、石井組組長・石井一郎が井田組組員によって拳銃で狙撃され、重傷を負うという事件が発生しました。これに対し、4月2日には、井田組組長・井田栄作（当時別府市議会議員）配下の別府市議・堀某が、石井組組員によって刺殺されるという事態に発展しました。

さらに4月8日には、石井組組員7名が井田宅に猟銃や拳銃を発砲するという事件が発生し、事態は深刻化の一途を辿りました。

抗争の激化と終結

この一連の事件を受け、石井組（三代目山口組）と井田組（本多会）の両派には、県内外から約400名もの暴力団員が集結し、大規模な対立抗争事件へと発展しました。抗争は2ヶ月にも及び、別府市全体が緊張に包まれました。

その後、福岡県の重鎮であった中間の大野留吉の仲裁により、石井組と井田組は手打ち式を行い、和解に至り、抗争は終結しました。石井一郎と井田栄作は殺人未遂の容疑で逮捕され、井田組は解散という結末を迎えました。

事件の影響

別府抗争は、その後の日本の法律にも影響を与えることとなりました。この事件が、凶器準備集合罪という新たな法律が制定されるきっかけの一つとなったのです。

関係組織

三代目山口組 - 石井組
本多会 - 井田組

参考文献

* 縄張争いで暴力横行（昭和32年4月17日） - 日本映画新社・朝日ニュース昭和映像ブログ

別府抗争は、昭和の時代における暴力団抗争の激しさを物語る事件であるとともに、その後の社会に大きな影響を与えた事件として、歴史に刻まれています。

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