日本映画新社

株式会社日本映画新社

株式会社日本映画新社（にっぽんえいがしんしゃ、Nippon Eiga Shinsha Co., Ltd）は、かつて存在した日本の映画会社です。その前身は、第二次世界大戦中にニュース映画や国策宣伝映画を制作していた社団法人日本映画社です。戦後、東宝の完全出資を受けて株式会社日本映画新社となりましたが、2009年に解散しました。同社のライブラリー業務は東宝ステラに移管されています。

概要

日本映画新社は、政府関連団体、地方自治体、企業、学校などに向けて、プロモーションビデオ、教材資料、テレビ番組などを制作していました。また、ニュース映画のフィルムライブラリーの貸し出しや、映像素材の販売・開発も行っていました。かつては品川区上大崎に広大な敷地を所有していましたが、最終的な本社は東京都港区にありました。上大崎の跡地には、現在マンション「シティコート目黒」が建っています。

略歴

1939年 - 1951年: 前身である日本映画社。
1951年: 株式会社日本映画社が東宝の完全出資により株式会社日本映画新社となる。
1952年: 戦前から上映していたニュース映画「日本ニュース」が、朝日新聞社との提携により「朝日ニュース」となる。
1953年: NHKニュースへの映像提供を開始するも、わずか半年で終了。
1956年: 長編記録映画『カラコルム』がベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞。
1957年: 長編記録映画『南極大陸』を公開。
1962年: 東京映画撮影所が世田谷区から目黒駅近くの同社撮影所に入居し、日映新社撮影所（品川区上大崎）となる。
1968年: 長編記録映画『ニイタカヤマノボレ』を公開。
1975年: 「朝日ニュース」の上映サイクルが週刊から隔週となる。
1976年: 朝日新聞社との提携を解消し、独立した「日本ニュース」として再スタート。
1985年: 「日本ニュース」の公開サイクルが隔週から3週間に1回になる。
1992年: 「日本ニュース」が終刊。
2002年: 本社を上大崎から港区新橋に移転。
2008年: 記録映像を東宝子会社の東宝ステラに移管。
2009年: 解散。

版権

日本映画新社が管理していた版権は、2008年に東宝ステラに移管されました。これらの版権には、以下のものが含まれています。

1. 日本映画新社が制作した作品
2. 前身である社団法人日本ニュース映画社、社団法人日本映画社、株式会社日本映画社が制作した作品
3. 東宝映画株式会社文化映画部が制作した作品
4. 株式会社写真化学研究所、株式会社ピー・シー・エル映画製作所、株式会社ゼー・オースタヂオの非劇映画制作物
5. 東宝國策映画協会の制作物（『皇道日本』など）
6. 東宝教育映画部およびその後身である東宝教育映画株式会社が制作した作品（劇映画を含む）

1954年までのニュース映画素材と版権は、日本放送協会（NHK）に譲渡され、「NHK戦争証言アーカイブス」で公開されています。また、1946年までの作品の多くが川崎市市民ミュージアムで、一部素材が昭和館で上映されました。1955年から65年のニュース素材は、同社がデジタルアーカイブ化し、ブログで公開していましたが、現在は中止されています。

日本ニュース

1951年までに第312号まで上映された「日本ニュース」は、1952年に朝日新聞社との提携により「朝日ニュース」として再出発しました。この際、朝日ニュースの第1号は日本ニュースの通算331号として扱われたため、日本ニュースの313号から330号は欠番となっています。この欠番の製作された形跡はありません。日本映画新社側は、この件について、終戦直後の混乱期に「三一三」の縦書きをスタッフが「三三一」と誤って確認したのではないかと推測しています。一方、朝日新聞社史によれば、戦前の「朝日世界ニュース」が330号で打ち切られていたため、その続編として敢えて331号からスタートしたとされています。「朝日ニュース」は第1582号まで制作され、その後「日本ニュース」に戻りましたが、号数はそのまま継承し、1583号から再スタートしました。1979年12月19日発行の1678号を最後に通算号数の表示がなくなり、1980年以降は「西暦年数+その年の発行号数」という形式になりました。

テレビ番組の制作

ドキュメント昭和（1975年4月-12月、朝日放送テレビと共同制作）

註

[外部リンク]日本映画新社(当時のWebサイト) - ウェイバックマシン（2007年7月4日アーカイブ分）
[外部リンク]日本ニュース｜NHK戦争証言アーカイブス
[外部リンク]朝日ニュース昭和映像ブログ - デジタルアーカイブ化された昭和30年代の「朝日ニュース」を公開
[外部リンク]映像資料館 日映アーカイブ

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