則井万寿雄

則井万寿雄の生涯と業績

則井万寿雄（1879年10月24日 - 1936年10月26日）は、日本の政治家であり弁護士として知られる人物です。彼は立憲政友会の一員として衆議院議員を務め、地域の発展に尽力しました。

生い立ちと学歴

岡山県上房郡川面村（現在の高梁市）で生まれた則井は、農業や土木請負業を営む家庭の次男として育ちました。地元の川面小学校および旧制高梁中学校を卒業後、明治大学に進学します。明治大学では法学を専攻し、夜間部での学びながら昼間は郵便局で働きました。1904年に卒業し、判事検事登用試験にも合格しました。

法律家としてのキャリア

大学卒業後、高松地方裁判所に勤務しましたが、1年で辞職。その後、東京で弁護士業を開始し、再び岡山に戻って高梁で開業します。彼の弁護士としての活動は地元社会に深く根付いており、結婚後は地元の漁業にも関与しました。特に、彼は高梁川漁業共同組合の長となり、地元の釣り文化の発展にも寄与しました。

政治活動の開始

則井は1923年に岡山県議会議員に初当選し、その後2期にわたってその職を務めました。議長としても活動し、岡山地方森林会議議員や小作調停委員としての役割も果たしました。彼の政治的な活動は、地域の振興や問題解決に向けたものが多く、名誉参事会員としての地位を得ています。

衆議院議員への挑戦

1932年には岡山二区から衆議院議員に立候補しますが、競争相手の西村丹治郎に敗れました。しかし、1934年には犬養毅と白神邦二の死による補欠選挙で無投票当選を果たし、高梁から二人の代議士が誕生するという画期的な出来事となりました。彼の選挙事務所は実家が使用され、地域からの支持を受け続けました。

最後の選挙と死

1936年の選挙では、病気の影響で十分に選挙運動ができず、また犬養毅の三男が出馬したため、則井は落選を経験します。彼はその年の10月に肝臓がんで亡くなり、57歳という若さでこの世を去りました。

地域への貢献

則井の功績は彼の政治活動にとどまりません。伯備線の全線開通に向けて鉄道大臣に強く働きかけ、地域の交通網の発展にも寄与しました。豪渓駅の名称は、彼の提案によって名付けられたといわれています。そして、それを記念して街路樹であるプラタナスを植樹するなど、地域の美化にも尽力しました。また、高梁正教員養成所の建設にも関与し、地域の教育にも力を注ぎました。

結び

則井万寿雄はその生涯を通じて、地域社会に深い愛情を持ち、法律と政治の両面からその発展に貢献した人物です。彼の業績は今も地域の人々に語り継がれ、岡山県および高梁市の歴史の一部として重要な位置を占めています。

もう一度検索