前山ダム

前山ダムの概要

前山ダムは香川県さぬき市の前山地区に位置する、重力式コンクリートの多目的ダムです。このダムは、讃岐山脈を水源とする鴨部川の水系内で、特に洪水調節や上水道用水の供給を目的として建設されました。ダムの高さは38.8メートルで、香川県によって管理されています。

1970年代初頭、鴨部川は頻繁に洪水を引き起こしており、周辺地域での水供給の必要性も高まっていました。そこで、1966年に鴨部川の総合開発事業が検討され始め、1968年に調査や設計に入ったのです。1972年にダム本体の工事がスタートし、1975年の3月には試験段階での水の貯留が行われました。

ダム周辺の施設

前山ダムの周囲には、さまざまな施設が整備されています。特に、ダム湖の近くには前山ダム公園があり、ここではキャンプ場やレクリエーションが楽しめます。この公園は、四国八十八箇所の一部である長尾寺と大窪寺を結ぶ遍路道に接しているため、ミニ八十八ヶ所としての地蔵も祀られています。

さらに、左岸側には「道の駅ながお」があり、さぬき市立前山小学校という教育施設も存在しました。小学校はダムの建設に伴って移転され、新しい校舎は鉄筋コンクリート製の3階建てで、屋上にはプールも設けられています。この学校は地域において唯一の小学校であり、少人数のクラス構成となっています。かつては複式学級が存在していましたが、現在は学年ごとに数人というクラス編成が一般的です。

また、幼稚園も同敷地内に設置されており、地域の子どもたちに教育の場を提供しています。これらの施設は、地域の人々が日常的に利用できる貴重な場所となっています。

交通アクセス

前山ダムへは、香川県さぬき市前山957-6の管理事務所を目指してアクセスできます。徳島県道3号志度山川線に沿っており、塚原交差点から南へ約3.5㎞に位置しています。また、高松琴平電気鉄道の長尾線からは、長尾駅からのバスを利用することで約10分程度で到着することが可能です。

前山ダムは、美しい自然環境と地域資源を活かした歴史ある施設で、訪れる人々に多くの魅力を提供しています。ダムの機能だけでなく、周辺の観光スポットとしてもその重要性が高まっています。

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