前田正男

前田正男について

前田正男（まえだ まさお、1913年7月10日 - 2008年2月12日）は、日本の政治の舞台で多くの業績を残した政治家です。彼は日本自由党、民主自由党、自由党、そして自由民主党といった複数の政党に所属し、衆議院議員を11期務めました。また、1976年には三木改造内閣において科学技術庁長官に就任し、政治界での地位を確立しました。彼はまた、従三位勲一等の称号を受けており、特に甥の前田武志も政治家として知られています。

来歴と職務

岐阜県稲葉郡北長森村に生まれた前田は、1936年に山梨高等工業学校の機械科を卒業しました。その後、三井物産株式会社での勤務を経て、三井精機工業株式会社に勤務し、さらには奈良県産業復興会議設立準備委員会の事務責任者として活動しました。

1947年、前田は無所属で出馬した第23回衆議院議員総選挙で初当選を果たし、以降の政治活動を本格化させます。彼は同年12月から奈良県工業協会連合会の常任理事兼事業部長を務め、その後日本自由党、民主自由党、自由党へと政党を移りながらキャリアを重ねていきました。

1953年5月には、第5次吉田内閣で保安政務次官に就任します。翌年の1954年には防衛庁の設置に伴い、防衛政務次官として新たな職務を遂行しました。1955年には保守合同によって自由民主党が結党され、前田もその一員として政治活動を続けることとなります。さらに、彼は石井派に所属し、その後田中派へと移籍し、同派では顧問を務めるなど、派閥内でも重要な役割を果たしました。

国会では、1961年から科学技術振興対策特別委員長を、1972年からは内閣委員長を務め、科学技術に関する政策に対して強い影響を持つことになります。しかし、彼が入閣したのは1976年になってからであり、当選10回目にしてようやく三木改造内閣の一院として科学技術庁長官に任命されました。この任命に伴い原子力委員会の委員長も兼務しました。

政界引退とその後

前田は、入閣翌年の総選挙で現職閣僚にもかかわらず落選し、その後1980年の総選挙で復活当選を果たします。その後1983年、彼は甥である前田武志に政治基盤を譲渡し、政界から引退しました。引退後の同年には勲一等旭日大綬章を受賞し、長年の政治活動の功績を讃えられました。

彼の生涯は、2008年2月12日、神奈川県鎌倉市の病院で心不全により幕を閉じました。享年94歳という長寿を全うしながらも、前田は日本の政治と科学技術の発展に尽力した政治家として、その名を後世に残しています。彼の実父は陸軍大佐の前田勇、養父は陸軍中将の前田正実であり、家庭内でも名門の薫陶を受けて育ったことがうかがえます。

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