三井精機工業

三井精機工業株式会社は、埼玉県比企郡川島町に本社を構える、名門三井グループに属する工作機械メーカーです。三井グループの中でも、特に歴史のある直系10社のうちの1社として知られています。

同社は1928年（昭和3年）に創業し、国産初のブロックゲージを製造したことで、日本の精密機械産業の発展に大きく貢献しました。戦前からその技術力で国内産業を支え続けた、まさに老舗企業と言えるでしょう。

2019年現在の株式構成を見ると、ジェイテクト（旧：豊田工機）が筆頭株主であり、日野自動車も主要株主として名を連ねています。トヨタ自動車と日野自動車は、同社の主要な取引先でもあり、現在もトヨタグループとの密接な関係を維持しています。事実、同社はトヨタグループの関連会社に該当します。

かつて三井精機工業は、オート三輪の製造も手掛けていました。その製品は日野自動車の販売網を通じて「日野・ハスラー」として販売され、現在では保存車両が日野オートプラザで展示されています。また、日野・ブリスカや日野・レンジャーといったトラックの受託生産も担当していました。

主な製品

精密工作機械部門では、マシニングセンタ、ジグ中ぐり盤、ジグ研削盤、ねじ研削盤、専用機など、高度な精密加工を必要とする製品を製造しています。

産業機械部門では、定置式空気圧縮機（コンプレッサー）を主力製品としています。

沿革

1928年（昭和3年）12月 - 津上退助が東京府荏原郡六郷町（現：東京都大田区）に株式会社津上製作所を設立。
1930年（昭和5年）1月 - 国産初のブロックゲージを製作。
1934年（昭和9年）11月 - 本社・工場を東京府蒲田区下丸子町に新設し、移転。
1936年（昭和11年）11月 - 出資した三井財閥との方向性の違いから、創業者の津上退助が退社。
1937年（昭和12年）2月 - 商号を東洋精機株式会社と改称。
1942年（昭和17年）5月 - 三井工作機械株式会社と合併し、三井精機工業株式会社となる。
1943年（昭和18年）6月 - 本社を東京都中央区日本橋室町に移転。
1947年（昭和22年）4月 - オート三輪「オリエント号」の生産を開始。柳宗理がデザインを手がけた。
1961年（昭和36年）1月 - 日野自動車のトラック、日野・ブリスカの受託生産を開始。
1966年（昭和41年）10月 - 日野・レンジャーの受託生産を開始。
1981年（昭和56年）3月 - 桶川工場を埼玉県桶川市から比企郡川島町に移転し、川島工場として開設。
1994年（平成6年）1月 - 本社を大田区下丸子に移転。
2001年（平成13年）10月 - 川島工場に本社を移転し、本社および本社工場とする。同時に東京本社を品川区の天王洲アイルに開設。
2010年（平成22年）8月 - 東京本社を埼玉県比企郡川島町の本社へ集約。

関連事項

三井グループ
トヨタグループ
トヨタ自動車
ジェイテクト
日野自動車
日野・ブリスカ / 日野・レンジャー
日野オートプラザ
工作機械
* オート三輪

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