前田駒次

前田駒次：北見開拓の父

前田駒次（まえだ こまじ）は、安政5年（1858年）に土佐国で生まれ、昭和20年（1945年）に没した政治家であり、北海道開拓者です。特に北見地方の発展に大きく貢献した人物として知られています。

生い立ちと自由民権運動

安政5年1月14日、前田駒次は土佐国長岡郡下関村で、志和敬七の三男として誕生しました。明治13年（1880年）には、武市安哉、坂本直寛、片岡健吉らと共に自由民権運動に参加し、地域の支援を受けながら学務委員や自治区造成委員を務めました。明治21年（1888年）には、本山村の前田儀太郎の娘である寒と結婚し、婿養子となっています。

北海道開拓への貢献

明治25年（1892年）、武市に誘われたことをきっかけに、前田駒次は北海道樺戸郡浦臼の聖園農場開拓に参加します。この地で、北見地域では初となる稲作に挑戦し、見事に成功を収めました。その後、明治28年（1895年）頃には、沢本楠弥の依頼を受け、常呂郡クンネップ原野の北光社農場設立に参画。明治37年（1904年）には、北光社の支配人となりました。

北光社では、農場用地の売却や、開墾を終えた入植者への土地無償贈与、開拓困難な低湿地の政府返還など、経営安定化のための施策を実行。これらの施策が功を奏し、不安定だった北光社の経営は安定を取り戻しました。大正3年（1914年）に北光社農場は札幌の資産家である黒田四郎に譲渡され、北光社としての活動は終了しました。

政治家としての活躍

明治40年（1907年）、前田駒次は網走支庁から立候補し、第3期北海道会議員に当選。その後、昭和7年（1932年）の第9期議会まで、7期にわたる議員生活を送りました。第9期議会では議長も務めています。また、道議会議員と兼職する形で、大正5年（1916年）から大正9年（1920年）9月までの5年間、初代野付牛町長を務めました。

昭和20年（1945年）2月20日、前田駒次は北見市の自宅で逝去。その功績から、「北見開拓の父」として、今もなお人々に敬愛されています。

もう一度検索