剛毅

剛毅（ごうき）について

剛毅（1837年 - 1900年）は、清朝末期の官僚であり、字を子良と称しました。満州鑲藍旗の出身で、タタラ氏という氏族に属します。彼は、その生涯において、清朝の官僚として様々な役職を歴任し、激動の時代を生き抜きました。

初期のキャリア

剛毅は刑部ビトヘシ（刑部の役人）からキャリアをスタートさせました。その後、光緒11年（1885年）には山西巡撫に任命され、オルドス地方での屯田政策を実施しました。この政策は、開拓と食糧生産の増強を目的としたもので、彼の行政手腕を示すものとして評価されています。

江蘇巡撫時代

光緒14年（1888年）には、江蘇巡撫に異動しました。江蘇省南部は、しばしば洪水の被害に悩まされており、剛毅は治水事業に尽力しました。この治水事業への貢献は、彼の民政官としての能力を示すものでした。彼は、人々の生活安定に貢献し、その業績は高く評価されています。

日清戦争と西太后の信任

光緒20年（1894年）に日清戦争が勃発すると、剛毅は主戦論を強く主張しました。彼の積極的な姿勢は、西太后の目に留まり、彼女の信任を得るきっかけとなりました。その結果、彼は軍機大臣兼礼部侍郎という重要な役職に任命され、中央政府の中枢で活躍することになりました。

戊戌の変法への反対

光緒24年（1898年）、戊戌の変法が起こると、剛毅は変法に強く反対し、光緒帝の廃位を主張しました。この反対運動は、再び西太后の支持を得ることにつながり、彼は兵部尚書兼協弁大学士に昇進しました。この時期、彼は保守派の重鎮として、政治的な影響力を強めていきました。

税務監督と世論の反発

光緒25年（1899年）には、南方各省の税務監督に任命されました。しかし、彼はその職務において、過酷な収奪を行い、世論を騒然とさせました。彼の強引な徴税は、人々の不満を高め、社会不安を招く要因となりました。

義和団の乱と最期

光緒26年（1900年）、義和団の乱が発生すると、剛毅は端郡王載漪と共に、極端な排外主義的な立場から、義和団の「仙術」を利用することを主張しました。彼は趙舒翹と共に良郷・涿州を視察し、「その術用いるべし」と報告し、荘親王載勛と共に統率義和団大臣に任命され、義和団を率いて八カ国連合軍と戦いました。しかし、北京は連合軍によって占領され、剛毅は西太后の西安への逃避に随行しました。逃避の途中で、山西省で病死しました。彼の死は、義和団の乱における清朝の混乱を象徴する出来事の一つでした。

死後の評価

死後、列強諸国は剛毅を戦犯として指名し、清朝に厳罰を要求しました。しかし、彼はすでに亡くなっていたため、深く追求されることはありませんでした。それでも、彼の官職は全て剥奪され、その生涯は失脚のうちに幕を閉じました。

剛毅は、清朝末期の激動の時代を象徴する人物であり、彼の生涯は、当時の政治状況と社会情勢を深く理解する上で、重要な手がかりとなります。

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