剣ひとすじ

美空ひばり「剣ひとすじ」：35年の軌跡を刻む一曲

「剣ひとすじ」は、昭和を代表する歌手、美空ひばりが1981年3月5日にリリースしたシングルです。この曲は、彼女の芸能生活35周年を記念して制作され、その記念碑的な意味合いを持つ作品として、多くのファンに愛されています。

芸能生活35周年を飾る楽曲

A面を飾る「剣ひとすじ」は、ひばりの35周年を記念した特別な楽曲です。1981年6月25日には日本武道館で開催されたリサイタルで披露され、その模様は多くの観客を魅了しました。さらに、同年の第7回日本演歌大賞では、特別功労賞を受賞した際に「人恋酒」と共に歌唱され、その存在感を改めて示しました。


大賞当日、ひばりは大阪での舞台出演のため授賞式には出席できませんでしたが、後日、TBSのスタジオで収録されたVTRが放映されました。司会を務めた玉置宏は、「35年。それは長い長いひとすじの道でした。しかし、ひばりさんには、その一日一日が歌に燃えた悔いのない人生でした！」と、ひばりの偉大な功績を称えました。制定委員長の吉田正から表彰され、記念のトロフィーとこけしが贈呈されました。

カラオケ技術の進歩にも貢献

「剣ひとすじ」は、カラオケ技術の発展にも影響を与えた楽曲としても知られています。1987年にリリースされた「好きなのさ」までは、この曲と同様にカラオケでのレコーディングが行われていました。これは、当時のカラオケ技術の進歩を象徴する出来事と言えるでしょう。

ひばり自身の言葉と楽曲の魅力

1981年3月6日にフジテレビで放送された「スター千一夜」では、ひばり自身の口から「剣ひとすじ」の歌詞に対する想いが語られました。彼女は「『強いばかりが勝ちじゃない 負ける弱さが人間なのさ』というフレーズが本当に好き」と述べており、この歌詞に込められたメッセージに共感していたことが伺えます。

B面曲、未発表曲との関連性

2003年にシングル化された未発表曲「武蔵流転」は、B面曲である「花の恋姿」と同じく、青山五平が作詞、伊藤雪彦が作曲を手掛けています。さらに、C面には「武蔵流転パートII」というユニークな楽曲が収録されており、これはメロディが「剣ひとすじ」、歌詞が「武蔵流転」という、異色の組み合わせで構成されています。

収録曲

1. 剣ひとすじ
作詞：石本美由起
作曲：伊藤雪彦
編曲：佐伯亮
2. 花の恋姿
作詞：青山五平
作曲：伊藤雪彦
編曲：佐伯亮

まとめ

「剣ひとすじ」は、美空ひばりの芸能生活35周年を記念して作られた特別なシングルであり、彼女の歌手としての軌跡と、その時代背景を映し出す重要な作品です。楽曲の魅力はもちろんのこと、カラオケ技術の進歩や、ひばり自身の言葉など、様々な角度から楽しめる奥深さを持っています。

もう一度検索