副島孔太

副島 孔太

副島 孔太（そえじま こうた）は、1974年5月17日生まれ、東京都出身の元プロ野球選手。主に外野手、内野手としてプレーし、引退後は野球指導者としても幅広く活動している。

来歴

少年野球時代、大田シニアリーグでプレーしていた頃からすでに日本代表に選出され、世界大会で優勝するなど、アマチュア野球界では将来を嘱望されるエリートとしてその名を知られていた。

桐蔭学園高等学校に進学すると、1年生にして早くもレギュラーの座を獲得。2年生、3年生時には、1991年と1992年の夏の甲子園に連続して出場した。特に1991年には、上級生に髙木大成、下級生に高橋由伸といった後のプロ野球選手を擁し、快進撃を見せて3回戦まで進出。副島自身も、3回戦で当時甲子園に設置されていたラッキーゾーンへ本塁打を放つ活躍を見せた。

3年生となった1992年のチームは打線に厚みが増し、優勝候補筆頭とも目されたが、甲子園の開幕戦で思わぬサヨナラ負けを喫するという波乱を経験する。この試合では、延長戦であわやバックスクリーン直撃かというほどの大飛球となる二塁打を放ち、非凡な打撃力を見せつけた。

法政大学へ進学後も、長距離打者として存在感を示し、大学通算で11本塁打を記録している。1995年には全日本大学選手権で東北福祉大学を破り、学生日本一に輝いた。これらの実績が評価され、翌年のドラフト会議でヤクルトスワローズから5位指名を受け、プロ入りの道を歩むこととなった。背番号は25。当時のヤクルト監督、野村克也氏が、夫人である沙知代氏が関わる少年野球チームを通じて以前から副島の実力を高く評価していたことが、指名に影響したともいわれている。また、ヤクルトには法政大学の2学年先輩にあたる稲葉篤紀（後の日本ハム、ヤクルト）がおり、プロでも再びチームメイトとしてプレーすることになったのは興味深いエピソードである。

プロ野球時代

ヤクルトスワローズに1997年に入団。打撃には非凡なものがあったものの、守備に課題があったため、同期入団の岩村明憲と同様に、主に代打や、先発出場時も打線を繋ぐ役割での起用が中心だった。

2001年の大阪近鉄バファローズとの日本シリーズ第4戦では、代打として登場し、相手投手の岡本晃から決勝点となる本塁打を放つ活躍を見せ、チームの4年ぶりとなる日本一に大きく貢献した。

しかし、翌2002年は開幕から調子が上がらず不振に苦しみ、シーズン途中に戎信行との交換トレードでオリックス・ブルーウェーブへ移籍することになった。

オリックスでは背番号1を背負い、長打力への期待が寄せられたものの、レギュラーの座をつかむには至らず、2004年には背番号を44に変更。同年10月7日、大阪近鉄との球団合併による分配ドラフトを前に、チームを離れることになった。

オリックス退団後

プロ野球を離れた後は、萩本欽一氏が率いる社会人野球チーム、茨城ゴールデンゴールズに選手兼任コーチとして入団し、2年間活動した。

2007年からは東京都内で飲食店に勤務する傍ら、桐蔭学園高校時代の同期生が監督を務めるフェデックスでプレー。2008年にはTDK千曲川の補強選手として、社会人野球の最高峰である都市対抗野球大会に初めて出場した。

2010年からはクラブチームの鉄腕硬式野球倶楽部に所属し、2011年から2012年にかけては監督としてチームを率いた時期もある。また、全国各地へ出向き少年野球指導を行うなど、精力的に野球の普及・指導活動にも取り組んでいる。

2012年からはデーブ大久保氏が主宰する野球塾「デーブ・ベースボール・アカデミー」の常任コーチとして指導にあたっている。同年より、クラブチーム・BBCスカイホークス（現在のGXAスカイホークス）の監督にも就任。このチームには日本航空高等学校通信制課程に所属する生徒もおり、2014年1月20日には指導者として必要な学生指導資格を回復した。2015年末に一時的にチームを離れたものの、2016年9月より再び監督に就任している。さらに、チームの運営母体が経営する野球教室でも講師として指導にあたっている。

2018年時点では、前述の野球塾やクラブチームのコーチなど、7ヶ所で野球関連の職務を兼務するなど、多忙な日々を送っている。2015年2月からは少年野球指導経験を生かし、学習塾「名学館 元住吉校」のオーナーを務めた経験（現在は閉業）や、2016年7月から自身の野球塾「25Laboニコラボ」を開講するなど、その活動は多岐にわたる。

2015年9月に初開催された「ライオンズカップ車椅子ソフトボール大会」では、埼玉A.S.ライオンズのコーチを務め、現役時代に所属したことのない埼玉西武ライオンズのユニフォームを着る機会を得た。

人物

オリックス時代の応援歌は、山越吉洋氏のものが流用されていたことで知られる。また、漫画家・山口かつみ氏の作品「オーバーレブ!」には、AZ-1を操る走り屋「青ネズミ」として描かれている。

詳細情報

記録

初出場: 1997年6月14日、対横浜ベイスターズ13回戦（明治神宮野球場）、5回表に小早川毅彦に代わり一塁手として出場
初安打: 1997年6月17日、対読売ジャイアンツ11回戦（明治神宮野球場）、14回裏にデビット・パブラスから右前安打
初打点: 1997年6月22日、対中日ドラゴンズ12回戦（ナゴヤドーム）、5回表に古池拓一から適時三塁打
初本塁打: 1998年4月19日、対広島東洋カープ3回戦（福岡ドーム）、5回裏に高橋建から右越ソロ

背番号

25 （1997年 - 2002年途中）
1 （2002年途中 - 2003年）
* 44 （2004年）

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