副統監

副統監：イギリスにおける統監の副官

副統監（Deputy Lieutenant）は、イギリスの典礼カウンティ、ウェールズの保存カウンティ、スコットランドの統監任命地域、北アイルランドのカウンティ・バラやカウンティなどの統監任命地域において、統監（Lord Lieutenant）の副官として活動する官職です。

副統監に任命された者は、氏名の後に「DL」というポスト・ノミナル・レターズを付記することができます（例：John Brown, CBE, DL）。ただし、より重要な称号を多数保持している場合は、DLを省略することも可能です。

副統監の役割

副統監は、統監を補佐し、必要とされる職務を代行するために任命されます。具体的な役割としては、以下のようなものが挙げられます。

統監が不在時の地方の式典や公式行事への出席（展覧会の開会式、英国国教会からの要請による牧師の任命など）
地域社会への貢献
統監の職務遂行のサポート

副統監の任命

副統監は、統監によって指名され、国王の命令により、政府の該当する大臣を通じて任命されます。イングランドとウェールズでは、2001年11月以降、ランカスター公領大臣などの例外を除き、大法官が副統監の任命を担当しています。スコットランドでは、1999年7月以降、スコットランド首相が担当しています。

カウンティごとに任命される副統監の数は、そのカウンティの人口に応じて異なり、数十年前の3人程度から、現在では十数人にまで増加している地域もあります。副統監は、地域社会に貢献してきた人物や、公職経験者が選ばれる傾向にあります。

副統監の任期と資格

副統監は、担当するカウンティ内、またはその境界から7マイル（約11キロメートル）以内に居住している必要があります。統監が交代しても副統監の任期は終了しませんが、法律の規定により75歳で引退することになっています。

統監代行

現役の副統監の中から1人が、統監代行（vice-lieutenant）に任命されることがあります。統監代行は、統監が不在の場合にその職務を代行します。統監代行の任命は、任命した統監の引退とともに失効し、その後は副統監に戻ることが一般的です。

その他の情報

統監は国王によって任命されますが、副統監は統監によって任命されるため、厳密には国王の直接の任命ではありません。

関連項目

主席治安判事
ランカスター公領

外部リンク

Lieutenancies Act 1997
* Department for Constitutional Affairs (now Ministry of Justice): Explanatory notes for Deputy Lieutenants

もう一度検索