創造韓国党

創造韓国党：韓国中道左派政党の軌跡

2007年10月30日、韓国に新たな政党「創造韓国党」が誕生しました。中道左派を標榜する同党は、2012年4月11日の第19代総選挙を最後に歴史の幕を閉じましたが、その短いながらも波乱に満ちた足跡は、韓国政治史において特筆すべきものと言えるでしょう。

結党と大統領選出馬

創造韓国党の結成は、2007年12月に行われた大統領選挙を背景としています。当時、与党系の実業家であった文国現氏を中心としたグループが、社会自由主義的な政策を掲げ、選挙戦に挑みました。しかし、結果は6％弱の得票率にとどまり、4位に終わりました。当選した李明博氏（ハンナラ党）を筆頭に、鄭東泳氏（大統合民主新党）、李会昌氏（無所属）に次ぐ結果に終わりましたが、20代層からは約15％の支持を獲得するなど、一定の支持基盤を形成していました。

第18代総選挙と先進党との連携

大統領選挙後、創造韓国党は2008年4月に行われた第18代総選挙に臨みました。文国現代表はソウル特別市恩平区乙選挙区で、ハンナラ党の李在五氏を破り、当選。比例代表2議席と合わせて、3議席を獲得しました。しかし、フィリピン人女性候補の落選など、課題も見られました。

その後、創造韓国党は、保守系政党である自由先進党と院内交渉団体「先進と創造の集まり」を結成しました。大運河建設反対や米国産牛肉輸入問題への対応、中小企業活性化など、具体的な政策課題への共同対応を目指しました。しかし、両党の理念的差異、そして内部抗争により、交渉団体は短期間で瓦解することとなりました。

議員職喪失と党内混乱

2008年末、創造韓国党は深刻な危機に直面しました。比例代表議員の当選無効訴訟や、文国現代表の公職選挙法違反による議員職喪失、代表交代劇など、相次ぐ問題が発生しました。これらの出来事は、党勢の衰退を加速させました。

民主進歩統合政党への参加と解党

2011年には、野党勢力の統合に向けた動きが活発化しました。創造韓国党も「民主進歩統合政党発足連席会議」に参加しましたが、最終的には民主統合党への合流には至りませんでした。しかし、その後、党幹部の多くが民主統合党へ移籍し、創造韓国党は事実上の解党状態となりました。

2012年の第19代総選挙では、創造韓国党は議席を獲得することができず、政党得票率も0.43％に留まりました。この結果、政党法の規定により、自動的に解散することとなったのです。

創造韓国党の綱領と政策

創造韓国党は、綱領において信頼社会の構築、知識基盤社会の形成、平和的統一への推進、生産的福祉の実現、持続可能な社会の構築、公教育の充実、多元的価値と両性平等社会の実現、北東アジア経済協力体制の構築などを掲げていました。これらの政策目標は、中道左派政党としての立場を明確に示すものでした。

まとめ

創造韓国党は、短命に終わったものの、韓国政治に一定の影響を与えた政党でした。大統領選挙への挑戦、他党との連携、そして党内抗争など、その歴史はドラマチックで、現代韓国政治の複雑さを象徴する存在と言えるでしょう。創造韓国党の経験は、韓国の政党政治における課題と可能性を示唆する貴重な事例となっています。

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