劉三吾

劉三吾（りゅう さんご）

劉三吾（1313年 - 没年不詳）は、元末から明初の時代に活躍した儒学者であり、官僚です。名は如孫、字を三吾といい、字で広く知られています。号は坦坦翁、または玉堂老人とも称しました。本籍は衡州茶陵県です。

生涯

劉三吾の兄である劉耕孫と劉燾孫は、いずれも元に仕えていましたが、元末の混乱の中で亡くなりました。劉三吾は戦乱を避けるため広西へと移り、湖広行省の役所から静江路儒学副提挙の職を与えられました。1368年、明軍が広西を平定すると、彼は故郷の茶陵に戻りました。

1385年、茹瑺の推薦により召し出され、左春坊左賛善という役職に任じられました。その後も様々な官職を歴任し、翰林学士にまで昇進しました。当時の明は、天下がようやく平定されたばかりで、法令制度には不備が多かったため、彼は礼制や科挙制度の多くを改定する重要な役割を担いました。

劉三吾は非常に博学で、特に文章を作成する能力に長けていました。洪武帝が自ら『大誥』と『洪範註』を著すと、彼はその序文を執筆するよう命じられました。また、洪武帝の命によって『省躬録』、『書伝会選』、『寰宇通志』、『礼制集要』などの書物の編纂事業が始まると、その総裁として事業を統括しました。

1390年、晋王朱棡の世子である朱済熺に経学を教授しましたが、吏部侍郎の侯庸から職務怠慢を弾劾され、国子博士に降格されました。しかし、すぐに翰林学士に復帰しました。高麗から玳瑁製の筆が献上されると、彼はそれを分け与えられました。

1392年、懿文太子朱標が死去した際、洪武帝は東閣門に出御し、群臣に意見を求めました。劉三吾は進み出て、太子の嫡子である皇孫に皇位を継がせるのが礼であると主張しました。この意見が受け入れられ、朱允炆が皇太孫に立てられました。しかし、彼の娘婿である戸部尚書の趙勉が不正に財産を隠匿していたことが発覚し、死刑となりました。この事件を機に、劉三吾は引退を願い出て許されました。

1393年9月、翰林学士として再び起用されました。

1397年、劉三吾は紀善や白信蹈らと共に会試の主考官を務め、宋琮ら52人を選抜しましたが、合格者の中に北方出身者が一人もいなかったため、受験者たちは、彼らが南方出身者であるため、自分の出身地の者を贔屓していると訴えました。洪武帝は激怒し、侍講の張信らに再審査を命じました。ある者が劉三吾らを弁護しましたが、洪武帝の怒りは収まらず、白信蹈らを死刑とし、劉三吾は高齢を理由に一兵士として辺境に流刑となりました。洪武帝は自ら策問を行い、61人を選抜しましたが、合格者は全て北方出身者でした。この出来事は「南北榜」、または「春夏榜」として知られています。

建文帝の時代になると、劉三吾は南京に召還されました。その後、しばらくして亡くなりました。著書に『坦斎集』2巻があります。

脚注

* 『明史』巻137 列伝第25

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