劉崇

劉崇（りゅう すう）

劉崇は、五代十国時代の北漢を建国した初代皇帝であり、廟号は世祖。
後漢の初代皇帝である劉知遠の弟にあたります。

生涯

元々はテュルク系民族である沙陀族の出身であり、若い頃から酒と賭け事を好み、顔に入れ墨を入れて軍に従事していたという記録が残っています。

兄の劉知遠が後晋の河東節度使に任じられると、劉崇はその下で都指揮使を務めました。劉知遠が後漢を建国すると、劉崇は太原尹に任じられ、甥の劉承祐（隠帝）が即位すると、河東節度使に任命されました。

後漢の乾祐3年（950年）、郭威が反乱を起こし、その軍が後漢の都である開封に迫ると、隠帝は逃亡。
しかし、隠帝は反乱軍に捕らえられ殺害され、郭威が実権を握りました。

劉崇は当初、郭威に対抗して南下することを計画しましたが、郭威が自身の長男である劉贇を皇帝に擁立しようとしていることを知り、行動を躊躇します。
翌年の乾祐4年（951年）、郭威は自ら皇帝に即位して後周を建国し、劉贇を殺害。後漢は滅亡しました。

この事態を受け、劉崇は太原で自ら皇帝に即位し、北漢を建国。
後漢の正統な後継者であることを内外に示し、名を劉旻と改めました。

建国当初の北漢は国土が狭く、国力も民力も乏しかったものの、劉崇は後漢の復興を目指し、遼に支援を要請。
遼との間に父子の関係を築き、遼の皇帝を「叔父皇帝」、自身を「甥皇帝」と称するなど、服属外交を展開しました。
遼もこれに応じ、劉崇を大漢神武皇帝に冊封し、支援を行いました。

遼の支援を受けた北漢は、後周に対して度々軍事行動を起こしました。
特に乾祐7年（954年）、郭威の死去に乗じて大軍を率いて後周に侵攻しましたが、後周の世宗・柴栄の軍に大敗。
劉崇自身も農民に変装して戦場から逃れるという失態を演じました。

この敗戦により、北漢は深刻な打撃を受け、国力は大きく低下し、後周を攻撃する余力を失いました。

その後、劉崇は国勢が衰退する中で崩御。享年60歳。
跡を継いだのは、次男の劉鈞でした。

宗室

兄弟
劉知遠（後漢の高祖）
劉信（忠武軍節度使）
子女
劉贇（湘陰公、劉知遠の養子）
劉鈞（睿宗）
劉承鎬
劉承錫
劉承鍇
劉承銑
劉継恩・劉継忠・劉継元の母

関連項目

北漢
後漢
後周
遼
郭威
* 劉知遠

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