劔山谷右エ門 (1803年生)

劔山 谷右エ門 - 日本の力士の伝説

劔山谷右エ門（つるぎやま たにえもん、享和3年（1803年） - 嘉永7年8月26日（1854年10月17日））は、越中国新川郡、現在の富山県富山市に生まれた力士です。彼はその生涯で数々の功績を残し、最高位は大関に昇進しました。名を馳せたのは、不知火諾右エ門、秀ノ山雷五郎と共に「天保の三傑」として知られていたことです。身長167cm、体重115kgの彼は、力士としては小柄な部類に入りますが、その技術と巧みさで多くのファンを魅了しました。彼はまた、4代目二十山を継承しました。

略歴

劔山は木曽川傳吉のもとで二十山として見出され、文政10年（1827年）に初めて土俵に上がります。当初の四股名は鰐石文蔵（わにいしぶんぞう）でしたが、のちに阿武松の預かり弟子となります。天保5年（1834年）には新入幕を果たし、好成績を収めていきました。特に、天保6年（1835年）11月には横綱稲妻を相手に戦い、1勝3分という結果で名を上げました。この時期に、自らの実力を一層高めていったのです。

その後、劔山は小結に8場所留まるものの、天保11年（1840年）10月からは連続して土つかずの成績を残し、天保13年（1842年）2月には新大関に昇進します。この間、彼は29連勝を達成するほどの勢いを誇りました。四股名も天保14年（1843年）より劔山に変更され、これは徳島藩の抱えとなり、その地名に由来しています。一方で、郷里の剱岳とは直接の関係はありません。

引退と弟子の育成

嘉永5年（1852年）2月には、数え50歳で引退し、二十山を継ぎ、自らの弟子の育成に努めることとなります。引退後、彼の指導を受けた弟子の一人、黒崎佐吉は劔山を慕い、角界入りしました。しかし、劔山は2年後にこの世を去ります。

劔山は「軽量の業師型」と称され、特に土俵際での巧みな技術でその名を馳せました。彼の哲学の一つに、「名人に得意なし」という言葉があり、定まった得意手に頼らず、あらゆる相手に対して柔軟に対応できる力士でなければならないという信念を持っていました。この哲学は、今もなお力士たちの間で語り継がれています。

成績と改名

彼の幕内での通算成績は37場所、143勝31敗22分6預5無148休と、勝率は.822という素晴らしいものです。当時は十両の地位が存在せず、幕内の下には幕下という地位がありました。これは現代の十両・幕下とは異なるため、注意が必要です。彼の改名歴は次の通りです：

• - 鰐石 文藏 - 1827年3月場所 - 1842年10月場所
• - 劔山 谷右エ門 - 1843年1月場所 - 1852年2月場所

劔山谷右エ門は、彼の輝かしい業績と不屈の精神で、今なお日本の相撲界において伝説として語り継がれています。

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