加久藤トンネル

加久藤トンネル：九州を縦断する道路の要

加久藤トンネルは、熊本県人吉市と宮崎県えびの市の間、県境に位置する道路トンネルです。この名称は、国道221号と九州自動車道の二つのトンネルを指します。

国道221号の加久藤トンネル

国道221号にある加久藤トンネルは、1972年に開通しました。全長1,808.7メートルで、トンネルの両端にはループ橋が設けられています。このトンネルは全区間が熊本県によって管理されており、管理費用は熊本県と宮崎県が折半して負担しています。

九州自動車道の加久藤トンネル

九州自動車道に位置する加久藤トンネルは、人吉球磨スマートICとえびのICの間にあります。このトンネルは、日本の高速道路トンネルの中で6番目の長さを誇り、その全長は上り線が6,255メートル、下り線が6,264メートルです。

このトンネルは5kmを超えるため、危険物を積載した車両の通行は禁止されています。該当する車両は、南九州道や国道219号などの迂回路を利用する必要があります。

加久藤トンネルの開通は、人吉ICとえびのIC間の高速道路開通を意味し、これにより青森から鹿児島まで日本列島を縦貫する高速道路網が完成しました。また、このトンネルの西側約2kmには、肥薩線の矢岳第一トンネルが並行して走っており、このトンネルもまた、1909年の完成によって鉄道網の縦貫を完成させる重要な役割を果たしました。

九州自動車道内では、肥後トンネルに次いで2番目に長いトンネルであり、熊本県と宮崎県にまたがって存在します。

設計と安全対策

建設当初、加久藤トンネルは換気のために天井板を吊り下げる構造を採用していました。しかし、笹子トンネル天井板落下事故が発生したことを受け、2012年12月3日から12月6日にかけて緊急点検が実施されました。点検の結果、上り線で吊り金具の一部に異常が見つかりましたが、安全上の問題はないと判断されました。

その後、自動車の性能向上により排気ガス量が減少したため、トンネルの換気方式が見直され、天井板が撤去されることになりました。下り線は2013年、上り線は2014年に撤去工事が完了しました。

歴史

1995年、暫定2車線として上り線トンネルが開通しました。2004年には、下り線トンネルが開通し、4車線化が完了。これにより、九州自動車道は全線4車線以上となり、東北自動車道からの縦貫道も同様に全線4車線以上で接続されました。

通行制限

八代JCTからえびのICまでの区間では、危険物積載車両の通行が禁止されています。これらの車両は、県境を越える際には国道221号、人吉ICと八代ICの間では国道219号、国道3号、南九州西回り自動車道などを利用する必要があります。

隣接施設

九州自動車道では、人吉IC/TB（廃止）- 人吉球磨スマートIC - 人吉南BS - 人吉仮出入口（廃止） - 加久藤トンネル - えびのPA - えびのIC という順で施設が配置されています。

関連情報

加久藤トンネルは、日本の道路トンネルの延長ランキングにも名を連ねています。また、肥後トンネルや北薩トンネルなど、九州の他の主要なトンネルとも比較されることがあります。今後、猪八重トンネルが開通すれば、九州で3番目の長さのトンネルとなる見込みです。

参考資料

県界にかかる道路の管理および費用負担に関する協定（昭和48年4月10日告示第388号） - 宮崎県法規集

外部リンク

西日本高速道路株式会社

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