加古川鉄道部

JR西日本加古川鉄道部：ローカル線の歴史を刻んだ鉄道施設

兵庫県加古川市に存在したJR西日本加古川鉄道部は、1990年6月1日の鉄道部制度導入に伴い発足した組織です。加古川線の全線を管轄し、ローカル線の活性化と効率的な運営に貢献しました。しかし、2009年7月1日の組織改編により廃止されました。本稿では、その歴史と概要、配置車両、そして廃止後の状況を詳細に解説します。

加古川鉄道部：前身と概要

加古川鉄道部の前身は、加古川機関区と加古川気動車区です。加古川機関区は蒸気機関車の時代から、加古川気動車区は気動車の運用を担っていました。機関車には「加」の略号が、配置車両には神戸支社の略号「神」と加古川の電報略号「カコ」を組み合わせた「神カコ」（神戸支社発足以前は「本カコ」）が記されていました。

1951年4月、加古川車電区と加古川検車区が統合し加古川客貨車区が発足。その後、1958年6月10日には加古川客貨車区と加古川機関区が統合、加古川気動車区となります。1970年4月1日には加古川線管理所の廃止に伴い、加古川気動車区が再発足。1986年11月1日には所属車両が姫路機関区に移り、乗務員配置区と検修基地としての役割に特化しました。1989年3月3日には厄神駅付近への移転が決定し、1999年には加古川駅付近の高架化工事に伴い移転が実現しました。

加古川鉄道部の所属車両

加古川線の電化開業（2004年）以前は、キハ40系、キハ47形、キハ37形などの気動車が主力でした。電化後は103系電車と125系電車が導入されました。具体的には、2004年4月から10月にかけて森ノ宮電車区および奈良電車区から103系2両編成8本が、同年には125系4両が新製配置されました。電化に伴い余剰となった気動車は、津山鉄道部、富山鉄道部、後藤総合車両所などに転属しました。廃止時点では、103系と125系の計20両が配置されていました。

加古川機関区・加古川気動車区時代の車両

蒸気機関車時代には、高砂線でC11形、加古川線でC12形が運用されていました。しかし、1972年3月の加古川線の無煙化により、これらの蒸気機関車は運用から外れました。

加古川鉄道部の管轄と廃止後

加古川鉄道部は、加古川線の全線を担当し、運転士乗務線区、粟生管理駅管内、明石車掌区加古川派出所、加古川気動車区、加古川保線区野村管理室、姫路信号通信区加古川線グループを統合していました。2009年7月1日の組織改編により廃止されると、保線業務は加古川保線区西脇管理、電気通信業務は加古川電気区、車両基地は網干総合車両所加古川派出所に移管されました。駅業務は谷川駅を除き加古川駅の管轄となり、運転士は明石電車区に転属しました。

まとめ

加古川鉄道部は、加古川線の歴史と深く関わり、ローカル線の活性化に貢献した重要な組織でした。蒸気機関車時代から電化時代へと移り変わる中で、様々な車両を配置し、運営に尽力しました。その歴史は、加古川線の発展の歴史そのものであり、鉄道史において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。廃止後も、その功績は地元住民の記憶にしっかりと刻まれています。

もう一度検索