加徳島

加徳島：釜山最大の島、歴史と未来が交差する場所

加徳島は、大韓民国釜山広域市江西区に位置する、釜山広域市最大の島です。影島の1.5倍もの面積を有し、その広さは21.36平方キロメートル、海岸線は36キロメートルに及びます。最高峰は煙台峰で、標高459.4メートルに達します。

古くから人々が暮らしてきた加徳島は、李氏朝鮮時代には熊川郡、1914年から1988年までは昌原郡の管轄下にありました。1989年1月1日、天加面が釜山直轄市に編入され、新たに設置された江西区に属することとなりました。現在、行政洞は天加洞一つですが、東仙洞、城北洞、訥次洞、天城洞、大項洞の5つの法定洞と、10の自然村から成り立っています。

加徳島は洛東江河口の東南海上に位置し、巨済島とは直線距離でわずか9キロメートルしか離れていません。加徳大橋と巨加大橋の建設により、陸地と巨済島へのアクセスが容易になり、島への交通手段は大きく改善されました。かつては船便に頼っていた外部との交通も、釜山新港湾の開発により、陸路でのアクセスが可能となりました。

加徳島には、豊かな自然と歴史的遺産が共存しています。東北部の訥次洞には加徳島倭城、城北洞（釜山新港近く）には釜山広域市記念物第35号に指定されている加徳島斥和碑など、歴史を感じさせる遺跡が残されています。

近年、加徳島は、韓国の東南圏新空港建設候補地として注目を集めています。キャパシティに限界に達しつつある金海国際空港に代わり、新たな国際空港が建設される可能性が高く、島南部とその周辺海域が有力候補として挙げられています。この計画は、加徳島の未来を大きく変える可能性を秘めています。

さらに、加徳島の獐項遺跡からは、貴重な考古学的発見がありました。出土した人骨「獐項8号人骨」のDNA解析の結果、Y染色体がハプログループD1a2a1（D-116.1, CTS10441）であることが判明しました。また、この遺跡からは日本産翡翠の装身具をはじめ、48体の人骨が出土しており、そのうち17体について科学分析が行われました。その結果、1体からはヨーロッパ系の母系とも共通するミトコンドリアDNAのハプログループHが検出されました。これらの発見は、加徳島の歴史を解き明かす上で重要な手がかりとなります。

2021年2月1日には、野党国民の力に所属する金鍾仁議員が釜山広域市を訪問し、加徳島への新空港建設と、加徳島と日本の九州を結ぶ日韓海底トンネルの建設について積極的に検討する発言を行い、大きな話題となりました。これらの計画が実現すれば、加徳島は国際的なハブとして、さらに発展していくことが期待されます。

加徳島は、歴史と自然、そして未来が交差する島です。今後、新空港建設や日韓海底トンネル建設といった大型プロジェクトが実現するかどうか注目が集まっています。豊かな歴史と自然、そして発展の可能性を秘めた加徳島は、今後も多くの人の関心を集め続けることでしょう。

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