金鍾仁

金鍾仁（キム・ジョンイン）のプロフィールと業績

金鍾仁（1940年7月11日生まれ）は、韓国の著名な経済学者であり、政治家としても広く知られています。彼は朝鮮語で「김종인」と書かれ、その本貫は蔚山金氏です。京畿道始興郡に生まれ、幼少期には実父を失いましたが、祖父の金炳魯の下で育てられました。京畿道楊州郡での生活を経て、家族はソウル市に移住しました。彼は韓国外国語大学校でドイツ語を学び、西ドイツのミュンスター大学で経済学の博士号を取得。1973年から1988年まで西江大学校で教授として教育に従事した後、建国大学校や韓国外国語大学校、嘉泉大学校の教授も歴任しました。

金鍾仁は、特に経済政策において多くの重要な提案を行ってきました。1977年には当時の大統領朴正煕に対して国民健康保険の導入を提案。1987年には第9回憲法改正に際し、経済民主化の新しい条件を設けることを主導しました。彼は保守系と進歩系政党の両方で重要な役割を果たし、韓国では初めて比例代表のみで5回当選した国会議員となりました。

政治活動としては、2012年の大統領選挙では朴槿恵の選挙陣営で共同選対委員長を務め、彼の勝利を陰で支えました。この功績により金鍾仁は「キングメーカー」としての地位を確固たるものにしました。また、2016年の総選挙では共に民主党の非常対策委員長を務め、同党を国会の第一党に導く役割も果たしています。その後、国民の党を経て、2020年からは国民の力の非常対策委員長を務めました。

政治活動と提案

2021年には釜山を訪れ、日韓海底トンネルの建設についての前向きな発言が報道されました。これにより、金鍾仁は地元の経済発展を見据えた積極的な姿勢を示しました。さらに、2021年末には尹錫悦の選挙陣営で総括選対委員長を務めましたが、後に選挙対策委員会が解散するという経緯も含まれています。

家族の背景

金鍾仁の家族には、政治家として活躍した人物が多く見られます。彼の祖父は元大法院長の金炳魯であり、元国会議員の金汶枰や元大法官の尹永哲なども親族です。こうした繋がりは彼の政治活動にも影響を与えていると考えられます。

主な論争と批判

金鍾仁は過去に国家保衛非常対策委員会に所属していたことで議論を呼びました。特に第20代総選挙の前に、国民の党が彼の経歴を問題視したため、負のイメージを持たれました。また、2020年の選挙では「国家的な恥」として脱北者を貶す発言が問題視され、これも批判を招く要因となりました。

エピソード

彼のあだ名には「汝矣島のフォレスト・ガンプ」や「大統領候補たちのメンター」があります。また、2020年6月には次期大統領候補にペク・ジョンウォンを指名して波紋を呼ぶなど、注目を集める発言が多いことでも知られています。政治家としての彼の長年の夢は、経済民主化と議院内閣制への改憲であり、これにより韓国の政治システムが改善されることを願っています。

金鍾仁は、経済学者としての経験と政治家としての活動を通じて、今後も韓国の政治や経済における重要人物として存在感を示していくことでしょう。

もう一度検索