加茂町山下

加茂町山下

岡山県津山市に属する地域の一つで、「かもちょうさんげ」と読みます。郵便番号は709-3913です。

地理

加茂町山下の地域は、清流として知られる加茂川が貫流しており、その流れに沿うようにして岡山県道6号津山智頭八頭線が通っています。集落や耕地はこの河川と県道に沿って形成されています。地域の北側は、かつて阿波村と呼ばれ、現在は津山市の一部となっている阿波地区に接しています。

歴史

加茂町山下の歴史は、明治時代以降、周辺町村との複雑な合併・再編の過程をたどってきました。町村制が施行された1889年6月1日、それまでの東北条郡山下村は、青柳村、河井村、知和村、物見村と合併し、新たに上加茂村が発足しました。この際、旧山下村は上加茂村の大字「山下」となりました。

その後、郡の再編が行われ、1900年4月1日には東北条郡が周辺郡と合併し、苫田郡の一部となります。この時点で、上加茂村も苫田郡に所属することになりました。

地域の中心部では、1924年7月1日、苫田郡に属していた別の加茂村が町制を施行し、初代の加茂町となりました。この加茂町は、後の再編の起点となります。

1942年5月27日、初代加茂町は隣接する西加茂村、東加茂村と合併し、改めて加茂町が成立しました（2代目加茂町）。しかし、この体制は長く続かず、1951年1月1日には、この2代目加茂町から旧初代加茂町の区域が分離し、新加茂町が誕生します。一方、旧西加茂村・東加茂村の区域は引き続き加茂町（3代目加茂町）として存続することになりました。

そして1954年4月1日、苫田郡に属していた上加茂村が、3代目加茂町、新加茂町と合併し、再度加茂町が誕生します（4代目加茂町）。この合併により、上加茂村の大字山下は、この新しい加茂町の一部となりました。

平成の大合併においては、2005年2月28日、加茂町は苫田郡阿波村、勝田郡勝北町、久米郡久米町とともに津山市に編入されました。この編入に伴い、旧加茂町域内の各大字には「加茂町」の名称が冠されることになり、かつての大字山下は現在の地名である「加茂町山下」へと改称され、現在に至っています。

交通

地域の主要な交通網としては、JR因美線が縦断しており、地域内に美作河井駅が設置されています。この駅は東隣の加茂町河井ではなく、加茂町山下地区に所在します。道路交通では、岡山県道6号津山智頭八頭線が地域を縦断する主要幹線であり、美作河井駅へのアクセス道路である岡山県道208号美作河井停車場線も整備されています。

主な施設

加茂町山下には、交通の要衝であるJR因美線美作河井駅のほか、鉄道関連遺構である美作河井転車台跡が残されています。また、歴史的な史跡として、中世の山城である矢筈城跡や、その城主であった草刈景継の墓所と伝わる矢筈城主草刈景継墓所なども点在しており、地域の歴史を物語っています。

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