加茂駅 (京都府)

加茂駅：歴史と自然が織りなす、静かな乗換駅

加茂駅は、京都府木津川市加茂町に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）関西本線の駅です。駅番号はJR-Q39。古くから交通の要衝として栄え、現代も地域住民の生活に欠かせない存在となっています。

明治時代からの歴史

加茂駅の歴史は、1897年（明治30年）に奈良経由で大阪と名古屋を結ぶ関西鉄道の駅として開業したことに始まります。当初は関西鉄道の駅として運行を開始しましたが、1907年（明治40年）の国有化を経て、関西本線に編入されました。その後、日本国有鉄道（国鉄）、そして1987年（昭和62年）のJR西日本発足と、幾多の変遷を遂げてきました。

国鉄時代は非電化区間でしたが、1988年（昭和63年）に木津駅から加茂駅までの電化が完成。これにより、加茂駅は電化区間（JR難波駅方面、大和路線）と非電化区間（亀山駅・名古屋方面）の境界駅となりました。大和路線の愛称もこの際に誕生しました。現在では、加茂駅を跨いで運行される列車はありませんが、案内上は当駅から亀山方面を「関西線」、奈良・天王寺方面を「大和路線」と区別し、車内放送でも乗換駅として案内されています。信越本線の加茂駅との区別のため、乗車券には「（関）加茂」と印字されています。

関西鉄道時代と路線変遷

関西鉄道時代には、加茂駅が関西本線と片町線の接続駅としての役割を担っていました。しかし、1907年の加茂駅 - 奈良駅間の新線切り替えにより、その役割は木津駅に譲ることになります。この新線切り替えによって、加茂駅 - 大仏 - 奈良間の旧線、そして加茂駅 - 新木津間が廃止されました。

1988年のダイヤ改正では、加茂駅から大和路線・大阪環状線への直通列車が設定されましたが、現在は設定されていません。

駅舎と設備

加茂駅は2面3線の島式ホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を備えています。中央の線路は両側にホームがあり、関西本線の奈良方面と亀山方面の乗換が可能です。ホームへの移動は跨線橋を利用します。

駅舎は1999年に改築され、現在のホーム配置となりました。自動改札機やみどりの窓口（現在はみどりの券売機プラスに置き換え）も設置されています。2003年にはICOCAが奈良方面で、2021年には亀山方面でも利用可能となりました。

駅構内には、大仏鉄道時代のランプ小屋が現存するなど、歴史を感じさせる遺構も残されています。

利用状況と周辺環境

加茂駅周辺は住宅地が広がり、静かな環境です。駅東側は山が迫り小規模な住宅地ですが、駅西側には木津川市役所加茂支所、木津川市立加茂図書館、木津川市加茂文化センターなどの公共施設や商店が点在しています。また、小学校や中学校も近隣にあり、生活利便性の高いエリアです。

交通アクセス

加茂駅には、加茂地域コミュニティバス、奈良交通バス、相楽東部広域バスが乗り入れています。コミュニティバスはデマンド運行の路線も多く、地域住民の足として重要な役割を担っています。奈良交通バスは近鉄奈良駅やJR奈良駅への路線も運行しています。

まとめ

加茂駅は、長い歴史を持つ静かな駅です。大和路線と関西線の乗換駅としての役割に加え、周辺の生活環境の充実も相まって、地域住民にとってなくてはならない存在となっています。歴史と自然に囲まれた、落ち着いた雰囲気の駅です。

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