加藤新平

加藤 新平の生涯と業績

加藤新平（かとう しんぺい、1912年3月29日 - 1999年4月2日）は、日本の法学者であり、主に法理学と法哲学に関する研究で知られています。彼は京都大学の名誉教授であり、1983年からは日本学士院の会員でもありました。また、1971年から1975年まで日本法哲学会の理事長を務め、沢内村の名誉村民第一号にも選ばれました。

来歴

加藤は岩手県和賀郡の沢内村で生まれました。1927年に宮城県の白石中学校を卒業後、第一高等学校に進学しますが、1930年に思想事件に巻き込まれ中途退学となります。その後、1932年に第二高等学校を卒業し、4月には京都帝国大学の文学部哲学科に入学しましたが、1933年に法学部に転部します。

1936年に法学部を卒業後、そのまま助手として任用され、法学の研究を開始しました。加藤の指導教授は刑法学者の宮本英脩でしたが、実質的な師と仰いだのは恒藤恭でした。彼はデュルケームやシュミットの思想に影響を受けつつ、法哲学に関する独自の視点を育流しました。彼の初期の研究成果を示す論文には「所謂具体的秩序思想に就て」があります。

太平洋戦争中は兵役に召集され、満州で従軍しました。ノモンハンの戦いでは諸事に関与しつつ、辛うじて生き延びることができました。1941年には京都大学法学部の助教授に昇進し、1949年に教授となりました。1975年に定年退官となり、名誉教授としての地位を得ます。その後は大阪学院大学でも教鞭を執りました。

1777年には医学博士号を取得し、「価値相対主義」をテーマとした博士論文をまとめました。1984年には勲二等に叙され、旭日重光章を受賞しました。彼の法哲学に関する思索は、特に法の正当性やその背後にある価値観について広範囲に及びました。

主な著書と論文

加藤の著作には、1950年に発表された『國家権力の正統性』や『法学的世界観』、1952年に出版された『法思想史』などがあります。また、1976年には『法哲学概論』を著し、法学の基礎から応用に関する理論を体系的に整理しました。

彼の業績の中には、法哲学に関する共編書として『法哲学講座』の全8巻もあり、この著作は多くの後進の学者に影響を与えました。加藤はまた、カントの思想やカール・シュミットの理論に関する翻訳も数多く手がけ、法哲学の国際的な理解を深める役割を果たしました。

最晩年と死去

1999年4月2日、加藤は肺癌のため仙台市青葉区の自宅で逝去しました。享年87歳で、その生涯を通じて法学界に多大な貢献をした後、彼の名は日本の法学の歴史に刻まれています。彼の思想は今なお、多くの学者や学生に影響を与え続けています。

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