加藤明友

加藤明友：石見吉永藩主、そして近江水口藩初代藩主

加藤明友（かとう あきとも）は、江戸時代前期に生きた武将であり、石見吉永藩主、後に近江水口藩の初代藩主を務めました。彼は、加藤嘉明の孫にあたり、水口藩加藤家の3代目として知られています。

生涯

元和7年（1621年）9月（元和元年（1615年）生まれという説もあります）、明友は陸奥会津藩の第2代藩主・加藤明成の庶長子として大坂で生を受けました。正室の子ではなかったため、父の命により京都の山田氏に預けられ養育されます。しかし、正室に男子が生まれなかったことから、寛永11年（1634年）に江戸に戻され、世子に指名されました。

寛永20年（1643年）5月、父・明成が改易され、会津領は幕府に没収されます。その後、祖父・嘉明の功績が江戸幕府に評価され、明友は新たに1万石を与えられ、石見国に吉永藩を立藩しました（6月）。

40万石を領する大藩から、わずか1万石の小藩への転落は、家臣団の縮小を余儀なくさせ、藩財政は一気に悪化しました。この状況を打開するため、明友は旧領会津から漆器製造者を招聘し、桐・櫨・梅などの栽培を奨励するなど、殖産興業に尽力します。しかし、それでも財政は逼迫したため、年貢増徴政策も行いました。この政策が、後に加藤氏が水口藩に移封された後も、その地域が公儀御料（天領）となった際に、特に税率の高い地域となる一因になったと言われています。小藩となったことで藩の行政機構は以前より未熟になったとされていますが、実情には不明な点も多いです。
父・明成は隠居し、吉永藩領に住み、万治4年（1661年）1月21日に亡くなりました。

天和2年（1682年）6月19日、明友は祖父の功績と、自身が奏者番として立てた功績を評価され、1万石を加増の上で近江水口に移封されました。

天和3年（1683年）12月7日、明友は63歳で亡くなりました。跡は長男の明英が継ぎました。

系譜

父：加藤明成
子
長男：加藤明英
次男：溝口政親
* 三男：加藤明治

加藤明友は、激動の時代を生き抜き、藩の存続と発展のために尽力した人物として、その名を知られています。

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