勝利油田

勝利油田

勝利油田（しょうりゆでん、拼音: Shènglì Yóutián）は、中華人民共和国において大慶油田に次いで2番目に操業が開始された大規模油田です。山東省東営市を主要な拠点とし、浜州市など8つの市と28の県区にまたがって広がっています。

概要

1959年に発見された大慶油田に続き、中ソ対立が深刻化していた1962年に発見されました。「勝利」という名称は、この油田の発見が中国にとって大きな「勝利」であったことに由来します。

油田開発から40年以上の歳月が経過し、陸続きに69もの油田が発見されました。最盛期には年間3355.19万トンの原油を生産し、2003年までの累計原油生産量は7.99億トンに達しました。2003年の原油生産量は2665.51万トン、天然ガス生産量は8.1億立方メートルでした。2004年には原油生産量が2674万トン、天然ガス生産量が9億立方メートルとなっています。

近年では、新しい地質探査技術の導入により、従来とは異なる地層の探査が可能となり、勝利油田には新たに6.46億トンの原油埋蔵量が存在することが明らかになりました。2004年に発見された油田の埋蔵量は2812万トンに達しています。既存油田の改良と新たな油田の開発により、生産量は132万トン増加すると見込まれています。2010年現在、鉱区は渤海海域にまで拡大し、海底油田としての開発も進められています。

2021年にはシェールオイルの探査が進み、有望な油井が発見されるなど、新たな資源開発の可能性も示唆されています。

生産

現在、中国石油化工股份有限公司（Sinopec）の子会社である勝利油田有限公司が、勝利油田における原油および天然ガスの探査、開発、生産、貯蔵、輸送を一手に担っています。

事故

2010年9月7日、沖合8kmの海上で海底油田のプラットフォームが45度まで傾斜する事故が発生しました。海難救助隊のヘリコプターによって34人が救出されましたが、2名が行方不明となっています。

今後の展望

勝利油田は、長年にわたり中国のエネルギー供給を支えてきた重要な油田です。近年では、新たな探査技術の導入やシェールオイルの開発など、持続的な生産に向けた取り組みが進められています。しかし、海底油田の開発における事故リスクや、環境への影響など、課題も存在します。今後、これらの課題を克服しながら、安定的なエネルギー供給を維持していくことが求められます。

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