勝浦雅彦
勝浦雅彦(かつうら まさひこ)は、日本の広告業界を代表するクリエイターの一人です。
コピーライター、CMプランナー、クリエーティブディレクターとして、数々の企業広告やブランド戦略に携わり、その才能を発揮しています。東京
コピーライターズクラブの会員であり、
宣伝会議コピーライター養成講座や自主プレゼン力養成講座の講師、
宣伝会議賞の審査員、
法政大学特別講師、
久留米大学非常勤講師、「つくる人の会」主催など、多岐にわたる活動を展開しています。
千葉県千葉市出身。
キャリア
法政大学法学部法律学科を卒業後、
読売広告社、
電通九州、
電通東日本を経て、(株)
電通に入社しました。大学在学中には、
法政大学のシンボルである「ボアソナードタワー」の命名者として学長表彰を受けています。
2022年1月には初の著書『つながるための言葉 「伝わらない」は当たり前』を出版し、Amazonビジネス書ランキングで1位を獲得するなど、大きな話題を呼びました。この書籍では、コミュニケーションの本質や言葉の力を、自身の経験に基づいて深く掘り下げています。
現在は、広告制作の第一線で活躍する傍ら、後進の育成にも力を注いでいます。
宣伝会議の講座では、コピーライティングの技術やプレゼンテーションのノウハウを伝え、次世代のクリエイターを育成しています。
エピソード
高校時代には、担任教師から「文章で生きていくためには人間を好きになること」という教えを受け、これが自身のクリエイティブ活動の原点となっています。大学時代には
電通クリエーティブ塾で学び、市ヶ谷に建設されたシンボル校舎の名称を考案し、大学から表彰されました。
電通入社後は営業部に配属されますが、クリエイティブ部への異動を夢見て、3年間努力を重ねます。その間、日本最大のアマチュア広告大賞である「
宣伝会議賞」に挑戦し続けました。現在は、その
宣伝会議賞の審査員を務めています。
コピーライターとして活躍する中で、「自分にしかできない仕事とは何か?」という問いに向き合い、自ら営業として仕事を取るという道を選択。飛び込み営業を重ね、「大牟田スイミングスクール」の社長との出会いを果たし、その広告コピー「お母さんの声援が聞こえるから、息継ぎが好き」は多くのメディアで紹介される代表作となりました。
また、「お仏壇のコガ」の社長とは、足繁く通う中で信頼関係を築き、母親を亡くした自身の経験から生まれた「どうしてあんなに鬱陶しかったのに、こんなに会いたいのだろう」というコピーが採用され、大きな反響を呼びました。
制作術
良いコピーを作るための秘訣として、勝浦は「考えて」「準備して」「練習をする」という3つを挙げています。プレゼンテーションにおいては、必要以上に演出をせず、「淡々と」「言葉少なくシンプル」に、最後に結論を一つ残すことを意識しています。また、相手に伝わらなくても、最善を尽くすことが、つながりを生むと説いています。
主な仕事
勝浦雅彦が手掛けた主な広告コピーには、以下のようなものがあります。
「その想いも、おあずかりしています」(ぜに屋本店)
「新しい10年がはじまる」(
東芝)
「去年より恋がうまくなった。なんだかつまらない」(Loft)
「お母さんの声援が聞こえるから、息継ぎが好き」(大牟田スイミングスクール)
「お母さん、お母さんになったよ」(お仏壇のコガ)
「私の下半身は、不自由ですが元気です」(ホワイトハンズ)
「辛い恋なら逃げちゃいなさい。どこへ走っても未来だから」(河北新報)
「どうかてんさいを、ふつうにしてしまいませんように」(ほっぺるランド)
「明日も、『ただいま』を聞かせてください」(自殺予防プロジェクト)
「その手は、つながりあうために」(人権啓発プロジェクト)
「新聞はキミたちのキャンバスだ!」(福岡新聞学校プロジェクト)
「三井でみつけて」(
三井不動産)
「BITE!」(日本マクドナルド)
「アイスサスペンス マイナス7℃の愛(ワナ)」(
森永製菓)
「わが子の性の目覚めに、ずっと目をつぶってきた」
「車イスを降りて、私たちは愛しあった」
「いったい何組が 恋をして、今の私なんだろう」
「たいへんな時代に、 家族をつくってくれました」(お仏壇のコガ)
「子どもたちが かけまわる法事は、幸福です」(お仏壇のコガ)
「私は、誰かが望んだ、未来なんだ」
「別れがこんなに悲しいのは、幸せだったから」(お仏壇のコガ)
「「お前も親になればわかる」は、ほんとうでした」
「優しいことばかり、言わないでいてくれました」
「写真のなかのあなたに、どんどん似ていく私」(お仏壇のコガ)
「この国の 平和をつくったのは、ご先祖様です」
「男の浮気をなくすのは、 戦争をなくすより難しいの」(
河北新報社)
「ウソなら死ぬまでつきなさい。それはホントになるから」(河北新報社)
「「奥さんと別れる」って約束、「行けたらいく」ってぐらい軽いわ」
「気づいてないかもしれないけど、あれ、別れ話よ」(河北新報社)
「あなたを理由に、みんなが集まってきます」
「都会に仏壇が少ないのは、広さの問題だけだろうか」(お仏壇のコガ)
「いい報告ばかりしなくて、いいんだよ」
「あなたと同じ年になりました。ほめてくれますか」(お仏壇のコガ)
「生きている私たちのために、お仏壇はあると思う」(お仏壇のコガ)
「あなたなら、どうするだろう。ときどき、考えます」(お仏壇のコガ)
「あとからあとからあの人のこぼれ話が出てくる」
「遅すぎる親孝行なんて、ないと思う」(お仏壇のコガ)
「私が運転すると、助手席は応援席になったりする」
「車なら、家の前までいっしょにいられる」(野間自動車教習所)
「クリスマスはボーナスの後にある。うまくできてるなあ」(Loft)
「生まれたばかりのあなたに、何度「ありがとう」って言っただろう」
「どうしてあんなに鬱陶しかったのに、こんなに会いたいのだろう」(お仏壇のコガ)
「ケンカした?ようやく向き合えたのね」(河北新報社)
「×(バツ)じゃないのよ、×(かける)なの。苦労したぶん、幸せが掛け算になるの」(
河北新報社)
「どれだけもらっても、お金はお墓に持っていけないわ」(河北新報社)
「あなたがさしたうしろ指は、あなた自身に向けられている」(人権啓発プロジェクト)
「その手は、つながりあうために」(人権啓発プロジェクト)
「NOT自己完結」(福岡新聞学校プロジェクト)
これらのコピーは、日常の感情や社会的なテーマを捉え、人々の心に響く言葉として、多くの人々に記憶されています。
受賞歴
勝浦雅彦は、数々の広告賞を受賞しています。
TCC新人賞
TCC賞
CCN最高賞
アジア太平洋広告祭 フィルム部門グランプリ
ACCフィルムゴールド
広告
電通賞最優秀賞
ギャラクシー賞
クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト
著書
『つながるための言葉 「伝わらない」は当たり前』(光文社、2022年)
『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』(アスコム、2023年)
関連情報
千葉市出身の著名人
法政大学出身の著名人
外部リンク
勝浦雅彦 (@katsufootball) - X(旧Twitter)
勝浦雅彦 (masahiko.katsuura.3) - Facebook
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勝浦雅彦 - note
勝浦雅彦は、広告業界におけるその多岐にわたる活動を通じて、言葉の力とコミュニケーションの重要性を伝え続けています。彼の作品は、人々の感情や社会的な課題に寄り添い、心に響くメッセージとして、これからも多くの人々に影響を与え続けるでしょう。