勝田範彦

勝田範彦：ラリー界のレジェンド

勝田範彦（かつた のりひこ）は、1968年11月17日生まれ、愛知県出身のラリードライバー。モータースポーツ界に多大な影響を与え続けている。

生い立ちとモータースポーツとの出会い

父は、初代全日本ラリー選手権王者であり、WRCドライバーとしても活躍した勝田照夫。幼い頃からモータースポーツが身近にある環境で育った。父が1970年に開設したモータースポーツショップ「ラック」も、彼の人生に大きな影響を与えた。

16歳でバイクの免許を内緒で取得。バイク購入時に両親に発覚するも、咎められることはなかった。高校時代はバイクのローン返済のためアルバイトに精を出し、20歳を過ぎてもバイクに夢中だった。会社員時代もバイク通勤をしていたが、トヨタAE86の生産終了を機に、親の勧めでバイクを売り、AE86を購入。ここから本格的に車にのめり込む。

ラリーへの情熱

AE86を愛用する傍ら、三菱・ギャラン VR-4を経て、ダート走行性能に優れた三菱・ミラージュサイボーグを購入。1993年に全日本ラリー選手権にデビューを果たす。その後、2007-2008年、2010-2013年、2016-2017年と、8回にわたり全日本チャンピオンに輝いた。

特にターマック（舗装路）での速さは突出しており、ツール・ド・九州では12連覇という前人未到の記録を達成した。

現在の活動

父から引き継いだ「ラック」の経営者としての顔も持つ。R3規定のトヨタ・GT86 CS-R3の販売なども手掛けている。

2018年公開のラリー映画『OVER DRIVE』では、スタントマンとしてヤリスSCRSのドライブを担当。2020年には、スーパー耐久に参戦するROOKIE RacingのGRヤリスのドライバーも務めた。

1995年から2020年までスバル一筋だったが、2021年からはTOYOTA GAZOO Racing (TGR)に移籍。自身も開発に携わったGRヤリスをドライブする。タイヤはダンロップを使用。勝田の誘いでラリーの世界に足を踏み入れた豊田章男トヨタ自動車社長（現会長）からは「範さん」と呼ばれ、親しまれている。2021年7月のラリー・カムイ（北海道）でGRヤリスがJRC初勝利を飾った際には、豊田章男から祝辞が贈られた。デビュー戦はトラブルでリタイア、その後も苦戦が続いたものの、TGRの万全な開発体制により、最終4戦で4連勝を飾り、逆転で9度目の全日本王者となった。

2022年の富士24時間レースでは、GRカローラとして生まれ変わって初となる水素エンジンのカローラスポーツを、元WRCドライバーのヤリ＝マティ・ラトバラとシェアしてドライブした。

2023年は、全日本ラリー選手権においてGRヤリス ラリー2の開発車両を用いて参戦。同マシンでラリージャパンにも出場した。

2024年は、開発車両からホモロゲーション取得後の車両に変更し、全日本ラリー選手権およびラリージャパンに参戦予定。

勝田範彦は、その卓越したドライビングテクニックと、モータースポーツへの情熱で、日本のラリー界を牽引し続けている。

関連項目

全日本ラリー選手権
勝田貴元
足立さやか
SUBARU
ダンロップ
キャロッセ
* ROOKIE Racing

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