勝部真長

勝部真長

勝部真長（かつべ みたけ、1916年3月30日 - 2005年6月19日）は、日本の倫理学者であり、お茶の水女子大学名誉[[教授]]として知られています。彼の研究領域は多岐にわたり、特に道徳教育、和辻倫理学、そして勝海舟研究において顕著な業績を残しました。

生涯

東京府牛込（現在の東京都）で生まれた勝部は、旧制松江高等学校を経て、1940年に東京帝国大学文学部倫理学科を卒業しました。その後、1948年には同大学院修士課程を修了し、哲学者である和辻哲郎に師事しました。学究生活の傍ら、日本出版会に勤務した後、東京大学で副手、講師を務めました。

1963年、勝部は文部省在外研究員としてドイツとイギリスに留学し、海外の思想や教育制度に触れました。帰国後、お茶の水女子大学で教授として教鞭を執り、多くの学生を育成しました。1979年に定年退官し、お茶の水女子大学名誉[[教授]]の称号を受けました。その後も、上越教育大学教授として後進の指導にあたりました。

教育界への貢献も大きく、1981年には中央教育審議会委員に就任し、1985年には総務庁青少年問題審議会副会長を務めました。これらの公職を通じて、日本の教育政策に深く関与しました。

1989年には、長年の功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しました。また、日本道徳教育学会会長、日本倫理学会会長、政教関係を正す会会長など、様々な団体の要職を歴任しました。さらに、海上自衛隊幹部学校講師や日本を守る国民会議（現：日本会議）代表委員も務め、幅広い分野で活躍しました。

業績

勝部真長の業績は、著書や論文を通じて広く知られています。彼の著作は、道徳教育、倫理学、日本思想など、多岐にわたるテーマを扱っています。

主な著書としては、『道徳教育』(金子書房, 1951年)、『「和論語」の研究』(至文堂, 1970年)、『日本思想の分水嶺』(勁草書房, 1978年)、『青春の和辻哲郎』(中公新書, 1987年)、『西郷隆盛 幕末・維新の群像』(PHP研究所, 1990年)などがあります。特に、勝海舟に関する著作は、詳細な研究に基づいたものであり、多くの読者に支持されています。

また、勝部は翻訳家としても活動し、勝海舟の『氷川清話』や山岡鉄舟の『武士道』などを現代語訳しました。これらの翻訳を通じて、古典的な思想や価値観を現代に伝えることに貢献しました。

評価

勝部真長は、日本の倫理学、道徳教育において重要な役割を果たした人物として高く評価されています。彼の研究は、現代社会における倫理的な課題や道徳教育のあり方を考える上で、貴重な示唆を与えてくれます。また、勝部の著作は、学術的な価値だけでなく、一般読者にとっても読みやすく、理解しやすい内容となっています。そのため、彼の著作は、今日でも多くの人々に読まれ、参考にされています。

勝部真長の思想と業績は、日本の教育界、思想界に大きな影響を与え、彼の名は、倫理学、道徳教育の研究者、実践者にとって、今後も記憶されることでしょう。

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