勝野康助

勝野康助（かつの やすすけ）

勝野康助は、1906年に生まれ、1985年に没した日本の外交官です。彼の生涯は、日本の外交史における重要な時期と重なり、そのキャリアは多岐にわたります。

生い立ちと学歴

岐阜県出身の勝野は、麻布中学校、第三高等学校文科甲類を経て、1932年に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。この学歴は、彼が外交官としてのキャリアを歩む上で、確固たる基盤となりました。

外務省入省と初期のキャリア

大学卒業後、勝野は外務省に入省しました。初期のキャリアでは、1948年に連絡調整中央事務局第一部総務課長、1949年には賠償庁賠償部長を歴任するなど、戦後の混乱期における重要な職務を担いました。

海外での活躍

1952年には、在サンフランシスコ日本国総領事館総領事に就任し、海外での外交活動を本格的に開始しました。その後、1956年には外務省経済局外務参事官を務め、1957年には外務大臣官房審議官に就任するなど、着実にキャリアを積み重ねました。

法務省入国管理局長

1958年、勝野は法務省入国管理局長に就任しました。この時期は、戦後の混乱が一段落し、国際的な人の移動が活発化する時期であり、入国管理局長としての彼の役割は非常に重要なものでした。入国管理に関する政策決定に深く関与しました。

大使としての活躍

1960年、勝野は外務大臣官房審議官を経て、セイロン国（現在のスリランカ）駐箚特命全権大使に任命されました。その後、1962年にはノールウェー国駐箚特命全権大使、1965年にはポルトガル国駐箚特命全権大使を歴任しました。これらの大使としての活動を通じて、彼は国際的な外交官としての手腕を発揮し、日本と各国との友好関係を築く上で重要な役割を果たしました。

受章と晩年

1976年、勝野は長年の功績が認められ、勲二等旭日重光章を受章しました。1985年には叙正三位となり、その生涯を閉じました。彼の外交官としての功績は、今日の日本の国際的な地位を築く上で、重要な貢献となりました。

同期入省者

勝野の同期には、多くの著名な外交官がいました。以下にその一部を挙げます。

青木盛夫（駐ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使・駐南ベトナム大使）
伊吹幸隆
糸賀篤　（中国・イタリア）
稲垣太郎
牛場信彦（対外経済担当大臣、70年駐米大使・67年外務事務次官・外務審議官・61年駐カナダ大使）
小川清四郎（65年駐バチカン大使）
甲斐文比古（70年駐西独大使・67年駐オーストラリア大使・64年駐マレーシア大使）
黒田音四郎（63年駐レバノン大使兼ヨルダン大使・60年駐ギリシャ大使・57年駐パラグアイ全権公使）
田中三夫
千葉皓（67年駐ブラジル大使・65年駐オーストラリア大使・60年駐イラン大使・57年駐メキシコ大使）
寺岡洪平（58年駐イラン大使・57年駐ペルー大使）
中川融（70年国連大使・65年駐ソ連大使・64年駐イタリア大使・60年外務省条約局長・53年外務省アジア局長）
林馨（60年駐メキシコ大使・58年駐マレーシア大使）
箕輪三郎
* 湯川盛夫（68年駐英大使・63年駐ベルギー大使・61年外務省大臣官房長・57年駐フィリピン大使）

これらの同期入省者たちの存在は、勝野のキャリアにも大きな影響を与えたと考えられます。彼らは、日本の外交の最前線で活躍し、国際社会における日本のプレゼンスを高める上で、重要な役割を果たしました。


勝野康助は、その多岐にわたるキャリアを通じて、日本の外交に多大な貢献を果たしました。彼の足跡は、今日の日本の国際的な地位を理解する上で、重要な示唆を与えてくれます。

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