湯川盛夫

湯川盛夫（ゆかわ もりお）

概要

湯川盛夫は、1908年2月23日に生まれ、1988年3月16日に没した日本の外交官です。石川県出身で、父は湯川宗理です。

学歴と初期のキャリア

旧制室蘭中学校、第一高等学校を経て、1933年3月に東京帝国大学法学部を卒業しました。在学中の1932年10月には、高等試験外交科と行政科の両方に合格しています。

外務省入省と経済畑での活躍

1933年に外務省に入省し、英国やスイスでの勤務を経て帰国後、通商局に配属されました。戦前から経済分野での経験が長く、商工省、企画院、経済安定本部などにも出向しています。第二次世界大戦中には、海軍司政官や条約局第一課長を務めました。

戦後の活躍

戦後は、1951年に国際経済局長（後に経済局長に改組）に就任。1952年には在フランス日本国大使館参事官となり、1954年に帰国後、国際協力局長、1955年には再び経済局長を務めました。

1957年には駐フィリピン特命全権大使として派遣され、1961年に本省に戻り官房長を務めました。その後、1963年から駐ベルギー特命全権大使、1968年からは駐イギリス特命全権大使を歴任し、1972年までその職を務めました。

退官後

1972年に外務省を退官した後、1973年から1979年まで式部官長を務めました。1978年には勲一等瑞宝章を受章し、1988年に正三位を叙されています。

人物

湯川盛夫は、経済分野に明るい外交官として知られ、戦前から戦後にかけて日本の外交を支えました。また、式部官長としての経験から、天皇に関する深い知識を持っていたとされています。

関連書籍

『天皇・嵐の中の五十年　矢次一夫対談集』（原書房、1981年）- 式部官長時代の対談が収録されています。

同期入省者

湯川盛夫と同期には、以下のような外交官がいます。

青木盛夫（駐ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使、駐南ベトナム大使）
伊吹幸隆
糸賀篤（中国、イタリア）
稲垣太郎
牛場信彦（対外経済担当大臣、70年駐米大使、67年外務事務次官、外務審議官、61年駐カナダ大使）
小川清四郎（65年駐バチカン大使）
甲斐文比古（70年駐西独大使、67年駐オーストラリア大使、64年駐マレーシア大使）
勝野康助（66年駐ポルトガル大使、62年駐ノルウェー大使、60年駐セイロン大使、58年法務省入国管理局長）
黒田音四郎（63年駐レバノン大使兼ヨルダン大使、60年駐ギリシャ大使、57年駐パラグアイ全権公使）
田中三夫
千葉皓（67年駐ブラジル大使、65年駐オーストラリア大使、60年駐イラン大使、57年駐メキシコ大使）
寺岡洪平（58年駐イラン大使、57年駐ペルー大使）
中川融（70年国連大使、65年駐ソ連大使、64年駐イタリア大使、60年外務省条約局長、53年外務省アジア局長）
林馨（60年駐メキシコ大使、58年駐マレーシア大使）
箕輪三郎

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