勝馬の栞

勝馬の栞（かちうまのしおり）

概要

「勝馬の栞」とは、日本中央競馬会の関連団体である財団法人競馬共助会が発行した出馬表のことです。その始まりは1947年に遡ります。この出馬表は、具体的には騎手や厩舎関係者の共済団体の運営資金を確保するために制作されました。

「勝馬の栞」には、当日のレースに出走する馬の枠順や、それぞれの馬の戦績が詳細に記されています。販売は主に競馬場内や場外勝馬投票券の発売所で行われ、競馬ファンにとって欠かせない情報源となっていました。

特徴

「勝馬の栞」では、現役の調教師数名が積極的に出走馬に予想印を付けていました。競馬の世界では、調教師や騎手が競馬新聞や専門誌で予想を行うことが一般的でしたが、この出馬表は特に競馬場や場外で購入できるため、ファンにとっては最新の「厩舎情報」が詰まった貴重な品とされました。

価格も競馬新聞よりもリーズナブルだったため、特に関西地方で非常に売上が良く、多くのファンに親しまれていました。また、当時の競馬専門誌「優駿」にも「勝馬の栞」との引換券が付いていたことから、その人気の高さがうかがえます。

経済的影響

「勝馬の栞」は、競馬共助会の財政にも大いに貢献したと言われています。このような情報を提供することで、多くのファンが参加し、競馬の興奮を味わうことができたのです。しかし、1965年に発生した「山岡事件」により、日本中央競馬会が調教師や騎手の予想行為を禁止することとなりました。その結果、「勝馬の栞」は廃刊を余儀なくされてしまいます。

まとめ

「勝馬の栞」は、日本の競馬史において重要な役割を果たしてきた出馬表であり、ファンに必要不可欠な情報を提供していました。その人気と影響力は、今なお多くの競馬ファンの記憶に残っています。競馬は単なる娯楽ではなく、情報収集や予想が楽しみのひとつでもあるため、「勝馬の栞」の存在がいかに価値のあったものであったかを示しています。競馬に情熱を注ぐファンたちにとって、この出馬表は今もなお懐かしく、特別な意味を持つ存在として語り継がれています。

もう一度検索