勤皇まことむすび

勤皇まことむすびについての詳細

勤皇まことむすび（きんのうまことむすび）は、1939年3月20日に東京で結成された日本の国家主義団体です。この団体は、1943年10月21日まで活動を続けました。設立の背景には、神兵隊事件に参加したメンバーの中での意見の対立がありました。

形成の経緯

団体の誕生は、東京都芝区愛宕で行われました。この時期、五・一五事件やその背後の思想が影響を与えていました。特に、紫山塾の頭であった本間憲一郎が中心となり、鹿子木員信や安田銕之助、小島茂雄（立教大学教授）及び天野辰夫が世話人として活動しました。

指導原理

団体の理念として「吾は日本人なり」という考え方が掲げられました。この理念は国民としての誇りやアイデンティティを重要視するものでした。特筆すべきは、政治運動や宗教運動、さらには右翼運動を否定した姿勢です。この姿勢は、一部の国民に共鳴を呼び起こしました。

機関誌の発行と政府批判

団体は機関誌『まことむすび』を発行し、その主幹を薄井己亥が担っていました。初号は昭和14年4月1日付けで発行され、他にも『維新公論』という機関誌も存在しました。これらの機関誌は、政府への強烈な批判内容が多く含まれており、特に東條英機を攻撃した際には、戦時刑事特別法改正に関連して数回の発禁処分を受けることになります。

暴力行為と解散

勤皇まことむすびは、暴力的な活動にも手を染めました。例えば、湯浅倉平内大臣の暗殺計画や、1941年8月には平沼騏一郎を狙撃する事件が発生しました。こうした活動が続く中、1943年10月21日には全国的に一斉検挙が行われ、団体は解散に追い込まれました。

参考文献

各方面からの分析が行われており、片岡駿による『神兵隊の告り直しと其の精神』や、司法省刑事局編纂の各種文献が興味深い響きを持っています。

以上のように、勤皇まことむすびには国家主義という時代背景と、戦争の激動に揺れる中で誇りを持つ日本人の姿が表れています。

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