北串山村

北串山村の概要

北串山村（きたくしやまむら）は、長崎県の島原半島にあるかつての村で、南高来郡に属していました。この村は1955年に近隣の小浜町と合併し、その後は小浜町の一部として存続しています。現在は雲仙市小浜町の南部に位置しています。

地理

北串山村は島原半島の南西部に位置し、海岸線は千々石湾（現在の橘湾）に接しています。この地理的な特徴は農業をはじめとする地域の発展に寄与したとされています。また、村内にはいくつかの河川が流れており、特に金浜川や飛子川、浦河内川、陰平川、菜切川が主要な河川として知られています。さらに、諏訪池という溜池も存在し、地域の水源として重要な役割を果たしていました。

沿革

村の歴史は江戸時代に遡り、近世初期には串山村として存在していましたが、承応元年に北串山村と南串山村に分割されました。その後、1889年に町村制が施行され、北串山村は独立した村制として新たに発足しました。この自治体は1955年2月1日に小浜町と合併し、自治体としての北串山村は消滅しました。

人口

1893年発行の『長崎県南高来郡町村要覧 下編』によると、当時の北串山村は757戸の住居があり、人口は4129人でした。このデータは、地域の社会構造や生活様式を理解するための重要な指標となっています。

経済

産業

北串山村の経済活動は主に農業と商工業に支えられていました。農業では、多くの篤農家が名を馳せており、特に松藤總衛、眞島馬蔵、甲斐七郎、隈部新十郎、吉原角馬、松島九郎、木下十蔵などの農家が有名です。

商工業

また、商工業の面では清酒の醸造を行っている家が1戸あり、樟脳の生産を行う業者も3件存在していました。さらに、荷受けや米穀の仲買を行う業者もあり、地域の商業活動は多岐にわたりました。居商も26戸あり、地元経済の核となっていました。

地名

北串山村は町村制施行時に単独で自治体となったため、大字は存在しませんでした。ただし、村内では地名が十干に基づいて表記されており、具体的には「甲」が金浜名、「乙」が木場名、「丙」が大亀名、「丁」が山畑名、「戊」が飛子名として分類されました。これに関しては、村内での行政上の区分けも関連しています。

出身・ゆかりのある人物

この村には、松永東という著名な人物がいます。彼は弁護士であり政治家であり、衆議院議長や文部大臣などの地位も歴任しました。また、彼は衆議院議員の松永光の養父でもあります。

参考文献

1. 『長崎県南高来郡町村要覧 下編』長崎県南高来郡、1893年。
2. 大日本篤農家名鑑編纂所編『大日本篤農家名鑑』大日本篤農家名鑑編纂所、1910年。
3. 『角川日本地名大辞典 42 長崎県』。

関連項目

• - 長崎県の廃止市町村一覧

このように、北串山村は長い歴史と多様な産業が共存していた地域でしたが、合併によってその姿を消しました。

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