北国の二人

北国の二人

「北国の二人」（きたぐにのふたり）は、日本の人気グループサウンズであるジャッキー吉川とブルー・コメッツが1967年9月15日に発表したシングル楽曲です。この楽曲の作詞は橋本淳が担当し、作曲はメンバーの井上忠夫が手がけました。このコンビはブルー・コメッツの多くのヒット曲を生み出しており、本作もその一つに数えられます。

楽曲の背景と特徴

本作は、広大な北海道の風景や雰囲気を着想源として制作されました。音楽的には、それまで彼らが得意としていたグループ・サウンズ（GS）特有のリズムやサウンドに加え、歌謡曲としてのメロディラインや情感をより際立たせた点が大きな特徴です。この歌謡曲へのアプローチ強化は、当時の音楽シーンにおいて彼らのサウンドの幅を広げ、新たなリスナー層にも受け入れられる結果をもたらしました。この「北国の二人」を契機として、ブルー・コメッツはその後も歌謡曲色の強い作品を意欲的に発表していくことになります。シングル盤のB面には「銀色の波」が収録されています。

演奏面にも注目すべき点があります。先行ヒット曲である「ブルー・シャトウ」や「マリアの泉」では、楽曲のスケール感を出すためにオーケストラを大胆に導入し、森岡賢一郎がアレンジを手がけていましたが、本作および次に続くシングル「こころの虹」では、再びメンバー自身のバンド演奏のみで楽曲が構成されています。これにより、バンドサウンド本来の魅力が前面に出た作品となっています。

メインボーカルは、リードギターを担当する三原綱木が務めています。彼の情感豊かな歌声が、北海道を舞台にした物憂げな歌詞の世界観を見事に表現しています。

チャート成績と現在

「北国の二人」は、1967年当時の音楽チャートにおいて高い評価を受けました。特に、オリコンシングルチャートの正式な集計が開始される前の非公式チャートではありますが、見事第1位を獲得しています。これは、楽曲が当時の大衆に広く受け入れられた証と言えるでしょう。

発売から半世紀以上が経過した現在でも、「北国の二人」はジャッキー吉川とブルー・コメッツの代表曲として親しまれています。彼らがテレビ番組などに出演する際には、しばしばこの楽曲が披露されており、往年のファンのみならず、世代を超えて多くの人々に歌い継がれています。

主なカヴァー

他のアーティストによってもカヴァーされており、楽曲の質の高さを示しています。

井上忠夫（後の井上大輔）: 作曲者自身が、1977年にリリースした自身のアルバム『TEN YEARS AFTER 〜さらにGSを見つめて〜』（キングレコード）にてセルフカヴァーを行っています。
ザ・ジャガーズ: 同じくGS時代を代表するグループ、ザ・ジャガーズによるカヴァーも存在します。彼らのアルバム『ザ・ジャガーズ・ファースト・アルバム』（テイチクエンタテインメントより1999年にリリースされたものに収録されています）に収められています。

これらのカヴァーバージョンを通じて、「北国の二人」は様々なアーティストによって再解釈され、時代を超えて多くのリスナーに届けられています。

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