北宜直線鉄道

北宜直線鉄道：台北と宜蘭を結ぶ新たな鉄路

北宜直線鉄道は、台湾鉄路管理局（台鉄）が東部幹線の所要時間短縮を目的に計画している鉄道路線です。この計画は、台北と宜蘭間の移動時間を大幅に短縮することを目的としており、台湾の交通インフラにおける重要なプロジェクトの一つです。

概要

計画では、台北市の南港駅を起点とし、宜蘭県頭城鎮の大渓駅まで、雪山山脈を長大トンネルで貫く新線を建設します。これにより、台北～宜蘭間の所要時間を約30分短縮することが期待されています。当初、2026年の竣工を目指していましたが、計画には紆余曲折がありました。

2006年には、環境影響評価委員会によって、環境への影響が経済効果に見合わないと判断され、計画は一時中断されました。しかし、並行して走る北宜高速公路の利用が増加し、渋滞が頻発するようになったため、2011年に交通部鉄路改建工程局が計画の再検討を開始しました。その結果、2014年に建設が決定し、約491億ニュー台湾ドルを投じて2026年の開業を目指すことになりました。

高速バスとの比較

北宜高速公路では、台北と宜蘭を結ぶ高速バスが運行しており、利便性が向上しています。しかし、高速バスは渋滞の影響を受けるため、安定した時間での移動が難しい場合があります。北宜直線鉄道が開通すれば、所要時間では高速バスと大差ないかもしれませんが、運賃面では割高になると予測されています。

台湾高鉄延伸案

近年、台湾高速鉄道（高鉄）の宜蘭延伸案も浮上しています。この案では、南港駅から宜蘭市内まで約50kmを延伸し、所要時間を約13分に短縮することを目標としています。この延伸案では、途中駅を設けない計画となっています。

この高鉄延伸案は、台湾鉄路管理局による高速化よりも更に高速な移動を提供できると期待されていますが、実現可能性調査を省略している点や、巨額の費用がかかることなどが課題として指摘されています。

2020年には、交通部鉄道局が「2030環島1日生活圏」計画の一環として、高鉄の宜蘭延伸を盛り込んだ長期計画を決定しました。この計画では、延伸費用が約955億ニュー台湾ドルとほぼ倍増しており、実現には課題も多いことが伺えます。

今後の展望

北宜直線鉄道と高鉄延伸案、どちらが実現するかは不透明ですが、どちらが実現しても、台湾の交通インフラが大きく進歩することは間違いないでしょう。今後の動向に注目が集まります。

関連情報

• - 台湾の鉄道
• - 台湾鉄路管理局

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