鉄路改建工程局

鉄路改建工程局（台湾）：鉄道建設の歴史と軌跡

鉄路改建工程局（てつろかいけんこうていきょく）は、かつて存在した中華民国交通部傘下の鉄道建設を統括する政府機関です。日本の旧日本[[鉄道建設公団]]に相当する組織として、台湾の鉄道インフラ整備に大きく貢献しました。台湾鉄路管理局の路線や駅の新設、改良事業において、事業計画の策定から設計、施工までを統括していました。

設立から全国規模の組織へ

元々は個別の事業や地域ごとに部署が設立されていましたが、事業の進展に伴い、交通部直轄の全国規模の部局へと発展しました。しかし、2018年に交通部鉄道局へ再編され、その役割を終えることとなりました。

沿革

鉄路改建工程局の歴史は、台湾の鉄道網の発展とともに歩んできました。

1973年12月25日: 北廻線建設のため、台湾省政府が「北廻鉄路工程処」を設立。その後、南廻線建設に伴い「南廻鉄路工程処」へ改称。さらに、台東線などの改良事業のため「東部鉄路改善工程局」へと改編。
1983年7月1日: 台北駅の地下化を含む台北市街地鉄道地下化事業のため、行政院が交通部傘下に「交通部台北市区地下鉄路工程処」（略称：地鉄処）を発足。これが鉄工局の前身となる。地鉄処は、松山、万華、板橋、南港などの台北都市圏鉄道改善事業を担当。
1999年7月1日: 虚省化に伴い、東部鉄道改善工程局が交通部地鉄処の傘下となり、台湾東部の鉄道改善事業を担当。
2000年3月1日: 地鉄処が「中南地鉄部会」を設立。
2002年1月1日: 地鉄処が「交通部鉄路改建工程局」に改名。事業範囲を台湾全土に拡大し、改良事業の計画立案から設計、施工を統括。同時に、東部鉄路改善工程局が「東部工程処」へと改名。
2007年2月5日: 中南部の改善事業推進のため「南部工程処」を設立。
2009年7月1日: 中南地鉄小組が「中部工程処」に改称。
2018年6月11日: 台湾高速鉄道や地方都市の捷運（MRT）を担当していた高速鉄路工程局と統合し、鉄道局となる。

組織

鉄路改建工程局は、以下の組織で構成されていました。

局長
副局長
主任秘書
総工程司
副総工程司

局本部
計画部
工務部
軌道工程総隊
測量工程総隊
機電部
電力工程総隊
電務工程総隊
信号工程総隊
運務部
工程管理部
工程材料施工所
労働安全室
人事室
公務倫理室
主計室
秘書室
広報室
情報室
下部組織
東部工程処
南部工程処
中部工程処
南港施工区

主な事業

鉄路改建工程局は、多くの鉄道プロジェクトを手がけました。以下に主な事業をまとめます。

完成済み

台北鉄路地下化事業
台北駅地下化
松山専案
萬板専案
南港専案（台鉄部分）
東部鉄道改善計画
東部鉄道後期改善計画（冬山駅高架化事業含む）
沙崙線（高速鉄路工程局設計、鉄路改建工程局施工）
内湾線（高速鉄路工程局設計、鉄路改建工程局施工。竹中駅 - 六家駅間新設含む）
員林市内鉄道高架化計画
林辺郷鉄道高架捷運化計画
台中都市圏鉄道高架化計画（高架化完成）
基隆駅再開発移転計画
台東線電化一部複線化計画および花東駅舎更新計画

施工中（鉄道局へ引き継ぎ）

高雄市鉄道地下化計画
左営計画
高雄計画
鳳山計画
高雄潮州捷運化計画
台中都市圏鉄道高架捷運化計画（新設駅施工）
台東線全線複線化および駅舎更新計画（一部完成）
台南市鉄道地下化計画
善化計画
台南計画
南廻線電化（2014年11月16日起工）

計画中（鉄道局へ引き継ぎ）

嘉義市鉄道高架化計画
北宜直線鉄路
恒春線
海生館線

関連事項

鉄路改建工程局は、台湾の鉄道網の発展に不可欠な役割を果たしました。

中華民国交通部：鉄路改建工程局の上位組織。
台湾鉄路管理局：鉄路改建工程局が建設・改良した路線の運営主体。
台鉄[[捷運化]]：台湾の鉄道網を都市鉄道化する政策。
前瞻基礎建設計画：台湾政府によるインフラ整備計画。

出典・外部リンク

交通部鐵路局（繁体字中国語）（英語）
交通部鐵工局 - YouTubeチャンネル
* 交通部鐵路改建工程局 (railway.bureau) - Facebook


鉄路改建工程局は、台湾の鉄道建設の歴史において重要な役割を果たしました。その事業は、現在の台湾の鉄道網を形作る上で欠かせないものであり、その功績は今もなお評価されています。

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